商品説明
日本とイギリスの自然葬法 ― 現代社会における死の物語の再編
宮澤安紀 著
定価:7,480円(本体価格6,800円+税)
判型:A5 並製
頁数:276
ISBN:978-4-8329-6894-3
Cコード:C3036
発行日:2024-04-25
●本書の特徴
共有された死の物語が失われた現代社会において、私たちはどのように死や死者と向き合うことができるのか。日英における「自然葬法」という新たな葬法の背景と実践について現地調査を実施しながら考察し、それぞれの社会における死の物語の特徴を抽出する。
●目次
はじめに
序章
1.問題の所在
2.本書で扱う用語について
3.本書の視点:「近代化」「個人化」をめぐる議論から
4.自然葬法における「エコロジカルな不死」論をめぐって
5.本書の構成
第1章 イギリスにおける葬送の近代化と20世紀の葬送改革
1.イギリスにおける葬送の近代化
2.現代イギリスの葬送をめぐる諸問題の背景
3.近代からポストモダンへの認識の転換
4.小括
第2章 イギリスにおける自然埋葬の成立と展開
1.イギリスにおける自然埋葬の成立
2.イギリス社会における自然埋葬の位置付け
3.小括
第3章 「その人らしい」死に方を求めて:自然埋葬を選択する人々
1.量的調査から見る自然埋葬選択者
2.インタビュー
3.自然埋葬における死の物語の成立
4.小括
第4章 日本における葬送の近代化と樹木葬の成立
1.日本における葬送の近代化
2.現代日本の葬送事情:「家」の墓から個人の墓へ
3.樹木葬の登場と現状
4.小括
第5章 「自然に還りたい」人々:樹木葬を選択する動機をめぐって
1.日本の樹木葬の姿
2.意識調査から見る樹木葬申込者
3.インタビュー
4.樹木葬における死の物語の成立
5.小括
終章
1.二つの事例の整理:比較という観点から
2.比較の視点から浮かび上がる現代日本の死と葬送
3.自然葬法からみる現代社会における死の物語の再編
4.今後の課題
あとがき
参考文献
索引
●著者紹介
宮澤 安紀(ミヤザワ アキ)
1990年生。筑波大学人文・文化学群比較文化学類卒。筑波大学大学院人文社会科学研究科哲学・思想専攻修了。博士(文学)。
専門は宗教社会学。
現在、國學院大學研究開発推進機構日本文化研究所共同研究員、(公財)国際宗教研究所研究員
主要研究業績に
「現代日本における葬送と自然─⽛自然に還る⽜というイメージをめぐって」(『宗教と社会』23号、2017年)
「死をめぐる新型コロナウイルス感染症の影響─葬送文化と死別・グリーフサポートの観点から」(共著、『現代宗教2021』、2021年)
「現代イギリスにおける火葬の文脈─近代火葬の成立からdirect cremation まで」(『宗教学・比較思想学論集』23号、2022年)など
(本書刊行時の情報です)
試し読みはこちらからどうぞ↓
https://note.com/hokkaido_up/n/n0c1840617efd