商品説明
講座 サニテーション学 1
総論 サニテーション学の構築
山内太郎・中尾世治・原田英典 編著
定価:3,520円(本体価格3,200円+税)
判型:A5 並製
頁数:198
ISBN:978-4-8329-2951-7
Cコード:C3336
発行日:2022-03-31
●本書の特徴
人のし尿の処理・処分とそのための施設・システムであるサニテーション。人間活動や環境問題と密接に関わるそれらを研究する新たな学問領域として、衛生工学や公衆衛生学のみならず、文化人類学、倫理学、開発経済学など様々な分野を横断する「サニテーション学」を提唱する。
* * *
サニテーションの歴史的変化と現状をふまえ、現在のサニテーション概念の成立と変容、その生み出す諸価値、倫理、行動変容の理論と実際、地域の人々との共創の在り方を論じ、環境工学や公衆衛生学を踏まえつつ、人文社会学をも含んだ、あるべきサニテーション学を構想する。
■講座 サニテーション学(全5巻)
〈第1巻〉総論 サニテーション学の構築(山内太郎・中尾世治・原田英典編著)
〈第2巻〉社会・文化からみたサニテーション(中尾世治・牛島 健編著)【2023年春刊行予定】
〈第3巻〉サニテーションが生み出す物質的・経済的価値(藤原 拓・池見真由編著)【2023年春刊行予定】
〈第4巻〉サニテーションと健康(原田英典・山内太郎編著)【2022年冬刊行予定】
〈第5巻〉サニテーションのしくみと共創(清水貴夫・牛島 健・池見真由・林 耕次編著)
●目次
本講座の刊行によせて
序 章 なぜサニテーション学か………中尾世治・原田英典
はじめに
1 サニテーションとは
2 なぜサニテーション学が必要とされるのか
3 本書の構成
〔第1部 サニテーション学を拓く〕
第1章 サニテーションの成立と発展………原田英典
はじめに
1 サニテーションのはじまり
2 衛生のためのサニテーションの誕生
3 環境衛生のためのサニテーションの成立
4 日本のサニテーションのあゆみ
5 地球環境のためのサニテーションと新たな課題
コラム:手洗い(手指衛生)の父 イグナーツ・ゼンメルワイス
第2章 グローバル・サニテーションの取り組み………原田英典
はじめに
1 グローバル・イシューとなるサニテーション
2 グローバルなサニテーションの指標と現在の到達点
3 既存の取り組みの課題
第3章 サニテーション学の提案………中尾世治
はじめに
1 何が問題なのか
2 サニテーションの3つの価値──健康の価値、物質的・経済的価値、社会的・文化的価値
3 学際的なアプローチとしてのサニテーション・トライアングル・モデル
4 サニテーション学とは何か─全体的社会事象としてのサニテーション
〔第2部 サニテーション学を深める〕
第4章 倫理と実践………中尾世治
はじめに
1 サニテーションと倫理
2 トイレは普遍的に提供されるべきものであるのか
3 使用者にとってトイレはどのようなものであるべきか
4 誰がどのように人間のし尿を処理するべきであるのか
5 人間のし尿を処理する技術はどのようなものであるべきか
6 人間のし尿を処理する技術はどのように導入されるべきか
結 論
第5章 介入と社会変革………山内太郎
はじめに
1 サニテーション関連の行動と決定要因
2 行動変容のための介入アプローチ
3 既存の介入アプローチの可能性と限界
4 新しい介入アプローチの模索
おわりに
第6章 共創………牛島 健
はじめに
1 サニテーションのしくみとは何を指すのか
2 誰のためにサニテーションのしくみをつくるのか
3 モチベーションをつなぎあわせてつくるしくみづくり
4 共創によって何を目指すのか
おわりに
索引
執筆者紹介
●著者紹介
原田 英典(ハラダ ヒデノリ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授
専門:環境工学
中尾 世治(ナカオ セイジ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教
専門:歴史人類学、アフリカ史研究
山内 太郎(ヤマウチ タロウ)
北海道大学大学院保健科学研究院 / 総合地球環境学研究所教授
専門:人類生態学、国際保健学、栄養人類学
牛島 健(ウシジマ ケン)
北海道立総合研究機構北方建築総合研究所研究主幹
専門:地域計画、社会システムデザイン
(本書刊行時の情報です)