商品説明
北海道大学大学院文学研究科研究叢書 25
ローマ帝国の統治構造 ― 皇帝権力とイタリア都市
飯坂晃治 著
定価:5,500円(本体価格5,000円+税)
判型:A5 上製
頁数:248
ISBN:978-4-8329-6797-7
Cコード:C3022
発行日:2014-03-31
●本書の特徴
本書は、ローマ帝政前期(2〜3世紀)のイタリアにおける皇帝権力と都市の関係を考察し、ローマ帝国の統治体制の特質を明らかにするものである。イタリア諸都市に派遣された都市監督官、地方裁判官、イタリア総督といった帝国官僚の実態を碑文史料・法史料を駆使して包括的に考察、その都市パトロン的機能に着目し、従来の「強制国家」論を批判する。
●目次
序論
第一節 「強制国家」論をめぐる研究史
第二節 対象と課題の限定――イタリアの「属州化」
第一章 帝政前期イタリアにおける官僚機構の形成
第一節 官僚機構の形成
第二節 官僚機構の形成と都市自治
第二章 都市監督官(curator rei publicae)とイタリア都市
第一節 研究史
第二節 都市監督官の任務
第三節 都市パトロンとしての都市監督官
第四節 都市パトロン選任の背景
小括
第三章 地方裁判官(iuridicus)とイタリア都市
第一節 研 究 史
第二節 ハドリアヌス帝期のコンスラレス(consulares)と地方裁判官職の創設
第三節 地方裁判官の裁判権
第四節 地方裁判官の司法以外の活動
第五節 地方裁判官の任用上の特徴
小括
第四章 三世紀イタリアにおける州制度導入のプロセスについて
第一節 研究史
第二節 州制度導入のプロセスに関するP・ポレーナの仮説
第三節 P・ポレーナの仮説の再検討
小括
州制度確立期までのイタリアの総督(corrector)のリスト
第五章 総督(corrector)とイタリア都市
第一節 研究史
第二節 州制度導入の目的
第三節 州制度導入期の総督・都市関係
小括
結語
参考文献
あとがき
初出一覧
イタリア地名・街道名索引
人名索引
事項索引
●著者紹介
飯坂 晃治(イイサカ コウジ)
1974年 北海道生まれ
1997年 北海道大学文学部史学科卒業
2005年 イタリア政府奨学金留学生としてペルージャ大学教養学部に留学
2007年 北海道大学大学院文学研究科博士後期過程単位取得退学,博士(文学)
現在 北海道大学大学院文学研究科専門研究員
(本書刊行時の情報です)