商品説明
宮坂 省吾・田中 実・岡 孝雄・岡村 聡・中川 充 編著
判型: B6 並製
頁数: 322
ISBN: 978-4-8329-7411-1
Cコード: C1044
発行日: 2011-06-25
●本書の特徴
●東西200 km南北150kmを9つの観察コースで紹介!
●札幌の大地の生い立ちは,地球の深部から上昇してきた日高山脈を無視して考えることはできません。藻岩山の生い立ちは,積丹半島や札幌西部山地をつくった火山活動を考慮して初めて理解できます。もっと時代をさかのぼると,道民の森や定山渓で見られる古い時代の,北海道の土台となった地質を除いて考えることはできないのです。このような,無関係で,はるか彼方と思われる地域の地質と札幌の地形や地質が,地質形成史という大きな枠組みのなかで相互に関連していることが,本書をとおして理解していただけるでしょう。
●藻岩山の山頂に登ると,なぜ景色が開け見晴らしが良いのでしょうか。札幌ドームのある月寒丘陵がなぜ南北に延びて高くなっているのでしょうか。道庁の赤レンガやビール工場が,明治の開拓時代に,なぜ現在の場所に建設されたのでしょうか。この札幌の大地の生い立ちを歴史的に探ることをとおして,それらの手がかりが得られることでしょう。
●各観察コースのねらい
1.札幌中心部から石狩湾へ:平地と河川・海とのかかわり,人間による自然の改変を訪ねる。
2.豊平川をさかのぼる:悠久の時間をさかのぼり,サッポロカイギュウと古定山渓島を訪ねる。
3.当別川沿いに道民の森へ:活断層にかかわるダイナミックな地殻変動と地形の変化を探る。
4.藻岩山と手稲山:藻岩火山の形成と手稲山の山体崩壊を探る。
5.積丹半島へ:奇岩・美岩を訪ねながら,1 ,000万年前の海底火山に想いをはせる。
6.第四紀の火山へ:火山活動の多様性をとらえ,自然からの恩恵と災害を知り,火山との付き合い方を確かめる。
7.夕張岳へ:夕張山地や馬追丘陵の形成と石炭のなぞに迫る。
8.日高山脈へ:北海道の背骨・日高山脈形成のなぞに迫り,氷期の証拠をたどる。
9.えりも岬へ:時間と空間を超え,織りなす大地の歴史を探る。
(「この本をお読みになる前に」から抜粋)
●目次
各章の案内
序にかえて
本書をお読みになる前に
I 札幌中心部から石狩湾へ
1 札幌中心部から石狩砂丘へ
2 望来海岸へ
ビーチコーミング
貝および貝化石
II 豊平川の上流へ
1 中の島より石山へ
2 十五島公園から百松沢方面へ
サッポロカイギュウ
3 定山渓温泉周辺
豊羽鉱山
III 当別川沿い,道民の森方面へ
1 太美から弁華別へ
2 当別ダムから青山中央へ
3 一番川沿いに道民の森へ
IV 藻岩山と手稲山
1 藻岩山
藻岩火山をつくった火山噴火史
藻岩山の森林と植物
2 手稲山
V 積丹半島へ
1 小樽—忍路海岸へ
積丹半島の遺跡
2 積丹半島をめぐる
積丹半島と 黎明期の地質調査
岩盤斜面の崩壊(豊浜トンネル)
VI 第四紀の火山
1 恵庭岳と樽前山(支笏火山)
2 登別
3 有珠山と昭和新山(洞爺カルデラ)
4 羊蹄山とニセコ
VII 夕張岳へ
1 馬追丘陵
2 川端から紅葉山へ
3 夕張を歩く
石炭博物館
4 夕張岳へ
白亜紀の植物化石
VIII 日高山脈へ
1 鵡川をさかのぼる
2 沙流川をさかのぼる
3 パンケヌーシ川・日勝峠へ
地質百選:幌尻岳と七つ沼カール
白亜紀の化石とむかわ町立穂別博物館
日高山脈館
IX えりも岬へ
1 美々からウトナイ湖へ
2 苫小牧から鵡川にかけて
3 日高沿岸地域の新第三紀ファンデルタ
新冠泥火山
4 三石蓬莱山
5 幌別川に沿って
6 幌満かんらん岩
様似町役場前庭のかんらん岩広場
7 えりも岬の古第三紀礫岩
黄金道路と岩盤崩壊
地質百選とジオパーク
X 札幌周辺の地史
あとがき
さくいん
●著者紹介
宮坂 省吾
㈱アイピー
田中 実
元北海道教育大学札幌校
岡 孝雄
アースサイエンス㈱
岡村 聡
北海道教育大学札幌校
中川 充
産業技術総合研究所北海道産学官連携センター
青柳 大介
札幌市円山小学校
植田 勇人
弘前大学教育学部
上澤 真平
北海道大学大学院理学研究院
小野 昌子
元日高山脈館
川上 源太郎
北海道立総合研究機構地質研究所
川村 信人
北海道大学大学院理学研究院
後藤 芳彦
室蘭工業大学
櫻井 和彦
むかわ町立穂別博物館
澤橋 菜月
札幌市立日新小学校
鈴木 明彦
北海道教育大学札幌校
平 雄貴
函館市立西中学校