商品説明
栽培植物の自然史 ― 野生植物と人類の共進化
山口裕文・島本義也 編著
定価:3,300円(本体価格3,000円+税)
判型:A5 並製
頁数:256
ISBN:978-4-8329-9931-2
Cコード:C3045
発行日:2001-06-10
●本書の特徴
ドメスティケーションの成立機構と伝播過程を読み解く.――人と栽培植物の長くて強い共生関係は,われわれ人類を,現在地球上でもっとも繁栄した種とした.人類は20種に満たない栽培植物に食料の90%以上を依存し,さらに今,種を超えた遺伝子の移入という新たな「栽培化」を押し進めている.この生態的関係の進化は人類社会にどのような展開をもたらすか.
●目次
はじめに
〔第1部 栽培植物の種分化と遺伝的多様化〕
第1章 栽培植物の分類と栽培化症候………山口裕文
1.栽培植物の種と品種
2.植物規約ICBN
3.栽培植物規約ICNCP
4.栽培植物と野生祖先種
5.栽培化症候群と栽培植物の成立
第2章 栽培植物における自己認識システムの進化………西尾 剛
1.自家不和合性の分布
2.自家不和合性の遺伝
3.自家不和合性の分子機構
4.Sハプロタイプの分化
5.自家不和合性の進化
第3章 テンサイにおける細胞質ゲノムの系譜………三上哲夫
1.テンサイの誕生
2.フダンソウ属の分類
3.葉緑体ゲノムからみたフダンソウ属植物の系統分化
4. テンサイのミトコンドリアゲノム
5.雄性不稔細胞質ゲノム
6.雄性不稔細胞質ゲノムの多型と起源
7.テンサイの野生祖先種におけるミトコンドリアゲノムの分化
第4章 アブラナ属植物と近縁属の系統分化………高畑義人
1.栽培植物としてのアブラナ属植物
2.アブラナ属栽培種と近縁属植物
3.種間の類縁関係と分化の様相
4.アブラナ属および近縁属植物の起源
第5章ソバ属植物の種分化と栽培ソバの起源………大西近江
1.ソバの利用
2.作物としてのソバ
3.栽培植物としての起源と伝播
4.野生ソバの分類と分布
5.ソバの栽培化に関する未解決の問題
〔第2部 栽培植物の成立と伝播〕
第6章 ダイズの進化:ツルマメの果たしてきた役割………阿部 純・島本義也
1.ツルマメとダイズそして中間型
2.核遺伝子の変異
3.オルガネラDNAからみたダイズとツルマメ
4.ダイズの成立と遺伝的分化の機構を説明するふたつのシナリオ
5.中間型のオルガネラDNA
6.ダイズとツルマメの遺伝子交流
7.雑種群落に働く栽培圧と自然選択
第7章 細胞質雄性不稔遺伝子からみたハマダイコンと栽培ダイコンの関係………山岸 博
1.核遺伝子と細胞質遺伝子
2.細胞質雄性不稔
3.栽培ダイコンと野生ダイコン
4.オグラ型雄性不稔遺伝子
5.稔性回復遺伝子
アズキの半栽培段階における生活史特性の進化………保田謙太郎・山口裕文
1.ヤブツルアズキとノラアズキの利用と認識
2.若い英と種子の採集
3.ヤブツルアズキとノラアズキの生活史と生育地
第9章 イネの起源と系譜………佐藤洋一郎
1.地理的な起源をめぐって
2.イネの系譜
第10章 ココヤシの多様性と伝播………杉村順夫
1.ココヤシの植物学的特徴
2.ココヤシの品種
3.ココヤシの多様性
第11章 日本の野生サトイモと栽培サトイモ………谷本忠芳
1.サトイモの形態
2.日本のサトイモの種類
3.日本のサトイモの成立と伝播
〔第3部 栽培植物と文化の共進化〕
第12章 シソとエゴマの分化と多様性………新田みゆき
1.日本のシソ,エゴマ,雑草型のRAPD
2.アジアのシソとエゴマの関係
3.シソ,エゴマ,雑草型の種子発芽特性
第13章 コーロ茶と山茶の起源:雌しべの形とDNA変異が語るもの………山口 聰・松元 哲
1.チャの分類学
2.日本におけるチャの問題点
3.雌しべの形態
4.pal遺伝子の多型現象
第14章 ブドウ品種の多様性とワイン:その相互関係の進化………望岡亮介
1.ブドウの起源と来歴
2.野生ブドウから栽培ブドウヘ
3.ブドウ栽培とワイン醸造の伝播
4.ワインの歴史における技術革新
第15章 キノコの利用と栽培化………種坂英次
1.キノコという生物-
2.食料としてのキノコ
3.キノコの栽培化:過去に起こったこと-
4.ェノキタケの栽培化と菌床栽培:現在起こりつつあること
引用・参考文献
索引
●著者紹介
山口 裕文(やまぐち ひろふみ)
1946年 長崎県佐世保市に生まれる
1977年 大阪府立大学大学院農学研究科博士課程修了
現在 大阪府立大学大学院農学生命科学研究科教授 農学博士
主書:
植物の自然史(分担執筆,北海道大学図書刊行会),植物の生き残り戦略(分担執筆,平凡社),雑草科学の基礎(分担執筆,日本雑草学会),雑草の自然史(編著,北海道大学図書刊行会),雑穀の自然史(編著,北海道大学図書刊行会)など
島本 義也(しまもと よしや)
1939年札幌市に生まれる
1966年 北海道大学大学院農学研究科博士課程修了
現在 東京農業大学生物産業学部教授・北海道大学名誉教授 農学博士
主著:
植物遺伝学(分担執筆,裳華房),集団行動遺伝学研究法(分担執筆,共立出版),野生イネの自然史(分担執筆,北海道大学図書刊行会)など
阿部 純(あべ じゅん)
1954年生まれ
1986年 北海道大学大学院農学研究科博士課程修了
現在 北海道大学大学院農学研究科助教授 農学博士
大西 近江(おおにし おうみ)
1943年生まれ
1966年 京都大学農学部卒業
現在 京都大学大学院農学研究科教授 Ph.D.
佐藤 洋一郎(さとう よういちろう)
1952年生まれ
1977年 京都大学大学院農学研究科修士課程修了
現在 総合地球環境学研究所教授 農学博士
杉村 順夫(すぎむら ゆきお)
1947年生まれ
1980年 オークランド大学細胞生物学科博士課程修了
現在 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科教授 Ph.D.
高畑 義人(たかはた よしひと)
1953年生まれ
1980年 東北大学大学院農学研究科博士課程中退
現在 岩手大学農学部教授 農学博士
谷本 忠芳(たにもと ただよし)
1952年生まれ
1978年 大阪府立大学大学院農学研究科修士課程中退
現在 大阪府立城山高等学校教諭 博士(農学)
種坂 英次(たねさか えいじ)
1960年生まれ
1986年 大阪府立大学大学院農学研究科博士課程中退
現在 近畿大学農学部講師 農学博士
西尾 剛(にしお たけし)
1952年生まれ
1980年 東北大学大学院農学研究科博士課程修了
現在 東北大学大学院農学研究科教授 農学博士
新田 みゆき(にった みゆき)
1970年生まれ
2001年 京都大学大学院農学研究科博士課程修了
現在 農業生物資源研究所ジーンバンク特別研究員 博士(農学)
松元 哲(まつもと さとる)
1963年生まれ
1988年 鹿児島大学大学院農学研究科修士課程修了
現在 農業技術研究機構野菜茶業研究所遺伝特性研究室長
三上 哲夫(みかみ てつお)
1949年生まれ
1978年 北海道大学大学院農学研究科博士課程修了
現在 北海道大学大学院農学研究科教授 農学博士
望岡 亮介(もちおか りょうすけ)
1959年生まれ
1987年 大阪府立大学大学院農学研究科博士前期課程修了
現在 香川大学農学部助教授 博士(農学)
保田 謙太郎(やすだ けんたろう)
1969年生まれ
1999年 大阪府立大学大学院農学研究科博士課程修了
現在 日本学術振興会特別研究員(佐賀大学海浜台地生物環境研究センター) 博士(農学)
山岸 博(やまぎし ひろし)
1951年生まれ
1977年 京都大学大学院農学研究科博士課程中退
現在 京都産業大学工学部教授 農学博士
山口 聰(やまぐち さとし)
1947年生まれ
1976年 大阪府立大学大学院農学研究科博士課程修了
現在 愛媛大学農学部助教授 農学博士
(第2刷〈2003-11-10〉発行時の情報です)