商品説明
稚魚の自然史 ― 千変万化の魚類学
千田哲資・南 卓志・木下 泉 編著
定価:3,300円(本体価格3,000円+税)
判型:A5 並製
頁数:318
ISBN:978-4-8329-9911-4
Cコード:C3045
発行日:2001-01-25
●本書の特徴
さまざまに「千変万化」する魚類の初期生活史について,17人の第一線の研究者が,形態・行動・養殖・系統分類・生物地理・生態など,さまざまな角度からアプローチする.
●目次
はじめに
〔第1部 稚魚と出会ぅ:潜る,飼う,描く〕
第1章 潜って観察する:亜熱帯の海でのハマフエフキ稚魚研究………金城清昭
1.亜熱帯の島,沖縄の海と稚魚研究
2.ハマフエフキ浮遊期の生態研究への挑戦
3.再挑戦:浮遊期がダメなら着底期を狙え
4.体力本位で生態を研究する
5.「どうにかなるサ」調査でわかったこと
6.着底の謎解きのすすめ
第2章 稚魚を飼う………青海忠久
1.稚魚に出会う
2.飼育することの確かさ
3.飼育することの利点
4.飼育した稚魚に蝙されるな
5.行動が器官形成を促す?
6.栽培漁業は救世主か?
第3章 稚魚をスケッチする………小島純一
1.稚魚と出会う
2.稚魚を捕える
3.稚魚をスケッチする
〔第2部 稚魚のかたち:多様性と機能の謎を探る〕
第4章 魚卵の世界………平井明夫
1.魚卵と社長業
2.華麗なる卵膜構造の謎
3.カタクチイワシの卵はなぜ楕円形か
4.魚卵の分類学はつまらない?
第5章 飼育によるベラ科仔稚魚の識別………木村清志
1.仔稚魚の同定
2.仔稚魚をつくる
3.識別のための仔稚魚飼育
4.飼育法で仔稚魚記載をする人へ
第6章 カレイ科魚類の変態と着底………南 卓志
1.カレイ科魚類の変態サイズに着目する
2.目の移動(形態)と着底(生態)の関係を観察する
3.着底サイズの変異とその意義について考える
4.変態期とはどういう時期なのかを考える
5.カレイ科魚類の変態研究のこれから
〔第3部 何を食べているのか:摂餌の謎を探る〕
第7章 ウナギ目レプトケパルス消化管の謎………望岡典隆
1.レプトケパルスとの出会い
2.八代海の竹羽瀬ザッコ漁
3.延岡湾のシラスバッチ網
4.レプトが食べた
5.尾虫類のハウス
6.セムシウナギ科のレプト
7.なぜ,レプトの餌は謎だったのか
第8章 ハタ類の仔魚飼育はどうして難しいのか?:熱帯海産仔魚の比較から………河野 博
1.東南アジアで研究する
2.栄養転換期の仔魚を比較する104
第9章 川原大池のハゼと外来魚たち………東 幹夫
1.ハゼ2種の生活と数の経年変化
2.ハゼ2種を食う外来魚たち
3.ハゼと外来魚と湖の生物群集の行方
第10章 ヒラメは何を食べ,何に食べられているのか………乃ー哲久
1.ヒラメ稚魚を研究する
2.ヒラメ稚魚は何を食べているのか
3.ヒラメ稚魚は何に食べられているのか
4.「食べる」ことと「食べられる」ことの関係
〔第4部 どこにいるのか:分布と移動の謎を探る〕
第11章 アユの回遊………塚本勝巳
1.ラボ人間とフィールド人間
2.湖のアユ
3.海のアユ
4.研究のしめくくり
第12章 アカメ稚魚を求めて………木下 泉
1.南国土佐に就職して
2.稚魚との出会い
3.四万十川河口域調査
4.アカメ研究の今後
第13章 浜に湧きでる養殖の種:サバヒ一種苗出現の秘密………熊谷 滋
1.サバヒ一種苗とは
2.種苗採捕漁場
3.種苗採捕漁具
4.沖から陸へ
第14章 川を遡る有明海のスズキ稚魚………田中 克
1.スズキとの出会い
2.筑後川を遡るスズキ仔稚魚
3.有明海産スズキの特異性と河川遡上
4.仮説と検証の30年
第15章 流れ藻につく稚魚たち………池原宏二
1.流れ藻を取りまく社会
2.流れ藻の生態
3.流れ藻に産卵する魚類
4.流れ藻につく稚魚
〔第5部 稚魚研究者の卵たちへ:第一歩を踏みだすにあたって〕
第16章 前稚魚の意味論:稚魚研究をはじめる人に………沖山宗雄
1.発育段階とは何だろう
2.「前稚魚」のプロフィール
3.前稚魚の機能形態学
第17章 定説に気をつけよう:研究の落とし穴と盲点………千田哲資
1.潮目に卵・仔稚魚が多いか
2.魚卵の性質:危険な固定観念
3.標本の有効利用
引用・参考文献
索引
●著者紹介
千田 哲資(せんた てつし)
1931年生まれ
1954年 九州大学農学部水産学科卒業
長崎大学名誉教授 農学博士
主著:
流れ藻の水産的効用(日本水産資源保護協会),南シナ海の魚類(共著,海洋水産資源開発センター),砂浜海岸における仔稚魚の生物学(共編,恒星社厚生閣)など
南 卓志(みなみ たかし)
1946年生まれ
1979年 京都大学大学院農学研究科博士課程中退
現在 東北大学大学院農学研究科教授 農学博士
主著:
日本産稚魚図鑑(分担執筆,東海大学出版会),ヒラメの生物学と資源培養(共編,恒星社厚生閣)など
木下 泉(きのした いずみ)
1955年生まれ
1981年 長崎大学大学院水産学研究科修士課程修了
現在 高知大学総合研究センター海洋生物研究教育施設教授 農学博士
主著:
日本産稚魚図鑑(分担執筆,東海大学出版会),砂浜海岸における仔稚魚の生物学(共編,恒星社厚生閣)など
東 幹夫(あずま みきお)
1938年生まれ
1969年 京都大学大学院理学研究科博士課程修了
現在 長崎大学名誉教授 理学博士
池原 宏二(いけはら こうじ)
1942年生まれ
1961年 新潟県立能生水産高等学校卒業
現在 (社)日本水産資源保護協会
沖山 宗雄(おきやま むねお)
1937年生まれ
1961年 東京大学農学部水産学科卒業
東京大学名誉教授 農学博士
金城 清昭(かなしろ きよあき)
1953年生まれ
1979年 長崎大学大学院水産学研究科修士課程中退
現在 沖縄県栽培漁業センター研究主幹
木村 清志(きむら せいし)
1953年生まれ
1978年 三重大学大学院水産学研究科修士課程修了
現在 三重大学大学院生物資源学研究科水産実験所助教授 農学博士
熊谷 滋(くまがい しげる)
1944年生まれ
1967年 広島大学理学部生物学科卒業
現在 マラウィ大学農学部客員教授 農学博士
河野 博(こうの ひろし)
1955年生まれ
1984年 東京大学大学院農学系研究科博士課程修了
現在 東京海洋大学海洋環境学科教授 農学博士
小島 純一(こじま じゅんいち)
1953年生まれ
1976年 三重大学大学院水産学研究科修士課程中退
現在 (財)海洋生物環境研究所研究参事
青海 忠久(せいかい ただひさ)
1949年生まれ
1973年 京都大学農学部水産学科卒業
現在 福井県立大学生物資源学部教授 農学博士
田中 克(たなか まさる)
1943年生まれ
1971年 京都大学大学院農学研究科博士課程修了
現在 京都大学大学院農学研究科教授・フィールド科学教育研究センター教授 農学博士
塚本 勝巳(つかもと かつみ)
1948年生まれ
1974年 東京大学大学院農学系研究科博士課程中退
現在 東京大学海洋研究所教授 農学博士
乃ー 哲久(のいち てつひさ)
1965年生まれ
1994年 長崎大学大学院海洋生産科学研究科博士課程修了
現在 千葉県立中央博物館分館海の博物館研究員 学術博士
平井 明夫(ひらい あきお)
1955年生まれ
1991年 長崎大学大学院海洋生産科学研究科博士課程修了
現在 マリノリサーチ(株)代表取締役 水産学博士
望岡 典隆(もちおか のりたか)
1955年生まれ
1985年 九州大学大学院農学研究科博士課程修了
現在 九州大学大学院農学研究院助手 農学博士
(第3刷〈2006-07-25〉発行時の情報です)