商品説明
G.M.ムレヴリシュヴィリ著/上平 恒・上平初穂訳
判型: A5 上製
頁数: 216
ISBN: 978-4-8329-9371-6
Cコード: C3051
発行日: 1992-07-25
●本書の特徴
生体高分子の低温における熱挙動を中心に,そのコンホメーションと水和の関係を実験的に解明,生体系の水和を分子・細胞および組織レベルで解決する最新技術を提示する中で,分子生物物理学の最先端を紹介する.
●目次
第 1章 カロリメトリー—分子生物学の研究における分析法
1 生体高分子の構造とそのコンホメーションの特性の概略
2 生体高分子溶液中の熱転移の特徴(温度範囲2—400K)
3 生体高分子の熱安定性—熱による構造転移
4 生体高分子の水和
5 固体状態における生体高分子の熱的特性
第 2章 温度範囲4—400Kにおける生体物質の断熱カロリメトリーの実験技術
1 精密低温カロリメータの備えるべき一般的条件
2 カロリメトリーによる測定(「熱インパルス」および「連続加熱」法)
3 カロリメータの概略と熱物理学的特徴
第 3章 生体高分子溶液中の溶媒(水)の相転移と生体高分子の水和
1 球状タンパク質
2 繊維状タンパク質
3 核酸(DNA)
4 膜タンパク質
5 生体高分子溶液中の水の相転移の論理モデル
第 4章 生体高分子のコンホメーション変化
1 溶液中の生体高分子のコンホメーション
2 生体高分子溶液中の水の緩和時間
第 5章 低温におけるDNA—水—塩 三成分系共晶の熱力学
1 H2O—塩 二成分系の相図
2 断熱型低温カロリメトリーによるNaDNA—H2O—NaCl 系のデータ
3 低温走査型ミクロカロリメータによるNaDNA—H2O—NaCl 系のデータ
第 6章 天然および変性状態の生体高分子の熱容量(温度範囲4—400K)
1 生体高分子の比熱容量と熱伝導
2 種々の湿度におけるコラーゲンの熱容量の温度依存性
3 ヘリックス状および糸まり状態のコラーゲンの熱容量差の温度依存性
4 コラーゲンの変性の熱力学的関数
5 DNA二重らせんの低温特性
6 結晶およびゲル状態のDNAの低温における熱運動
第 7章 結 論
第 8章 日本語版への結論
訳者による付録 生体高分子の熱転移測定と立体構造—DSCについての補足
●著者紹介
ムレヴリシュヴィリ,G.M.
グルジア科学アカデミー物理学研究所生物物理研究室長.トビリシ大学理学部高分子物理学科主任教授.
上平 恒
元北海道大学理学部高分子学科教授.現在,著述業.
主 著:
水とは何か(講談社,1976)
生体系の水(共著,講談社,1989)
生命からみた水(共立出版,1990
上平 初穂
繊維高分子研究所生体工学部分子機能研究室長.
主 著:
新熱分析の基礎と応用(共著,科学技術社,1989)
バイオリアクター(共著,(株)アイピーシー,1988)