商品説明
北海道大学COE研究成果編集委員会編
判型: A5 ソフトカバー
頁数: 386
ISBN: 978-4-8329-8178-2
Cコード: C3040
発行日: 2007-03-30
●本書の特徴
バイオサイエンスとナノテクノロジーにおいて独創的・先端的研究を展開している北海道大学の理学研究院・薬学研究院・電子科学研究所・遺伝子病制御研究所に所属する47名の第一線の研究者が,それぞれの研究分野を超えて結集し,生命科学研究の最前線を詳述する。本書では新技術を活かすための22テーマの応用研究が紹介されている。
●目次
口絵
まえがき
第I部 バイオで拓く最新診断と治療
第1章 生きた丸ごとの生体で分子を測る
はじめに / 分子計測のin vivo展開 / In vivo分子イメージング / 光診断への道 / おわりに
第2章 ナノマシンによるナノ医療
はじめに / 多機能性エンベロープ型ナノ構造体 / Programmed Packaging / 制御法 / 核内動態制御法 / おわりに
第3章 EBウイルスがコードするnon-coding small RNAの発癌活性
はじめに / EBER / EBERによるPKR活性化阻害とIFN抵抗性 / EBERによる増殖因子誘導 / おわりに
第4章 インテグリン・細胞外マトリックスの相互作用の分子機序解明と,それに基づく医薬開発
はじめに / OPN分子の構造と受容体 / 免疫疾患におけるOPNの発現とその機能 / OPNと癌 / おわりに
第5章 エイズ・ヒト白血病ウイルスの分子生物学から感染動物モデルの開発に向けて
はじめに / ヒトレトロウイルスの特徴 / ウイルスの種特異性を決めるもの / おわりに
第II部 最新の科学で創薬
第6章 糖鎖ナノケミカルバイオロジー
はじめに / 糖鎖クラスター化合物による糖鎖-タンパク質相互作用制御 / 水溶性ポリマーを利用した新規糖鎖合成法による糖鎖関連化合物ライブラリー構築 / 糖脂質ポリマーによる二次元配向糖鎖クラスターの創製 / ナノパーティクルを利用した糖鎖ナノケミカルバイオロジー研究 / おわりに
第7章 疾患遺伝子の探索とその作用機作
はじめに / 癌遺伝子と癌抑制遺伝子 / パーキンソン病原因遺伝子である癌遺伝子DJ-1の機能と発症機構 / 網膜性色素変性症の原因遺伝子PAP-1の機能 / おわりに
第8章 スフィンゴ脂質の生理活性と代謝調節
はじめに / S1P研究の変遷 / S1P受容体のシグナル伝達経路 / S1P受容体の生理機能 / スフィンゴシンキナーゼ / S1P分解酵素 / 細胞内S1Pの細胞内セカンドメッセンジャー仮説 / 代謝中間体としてのS1P / 酵母におけるS1P類似体 / おわりに
第9章 組換え型モノクローナル抗体分子を利用するグリケーション後期反応生成物の探索と構造解析
はじめに / メイラード反応によるAGE修飾タンパク質の生成 / 遺伝子組換え技術により作製された抗体分子 / ファージディスプレイ法によるAGE特異的scFvの作製 / 大腸菌を用いたAGE特異的scFvの調製 / AGE特異的scFvのエピトープ構造解析 / Biacoreを用いたAGE特異的scFvの抗原結合活性の解析 / おわりに
第10章 1分子観測によるアルツハイマー病関連因子の生細胞内機能解析
アルツハイマー病 / アルツハイマー病の原因遺伝子 / APPの生理機能 / APPの生理機能II / APP結合分子 / 1分子観測によるAPP生理機能解析 / 1分子観測によるAPP生理機能解析 / おわりに
第III部 バイオを使うものづくり
第11章 DNAを鋳型として用いたボトムアップ型ナノテクノロジー
はじめに / ボトムアップ型ナノテクノロジー / DNAの分子鋳型としての特徴 / DNAを鋳型とした色素の配列制御 / DNAの伸長固定化 / DNAを鋳型としたナノメッキ / おわりに
第12章 筋肉タンパクによるゲルバイオマシンの創製
はじめに / 生体における動力システム / 筋肉の仕組み / アクチン・ミオシン / 筋肉タンパクゲルの形成とその運動 / おわりに
第13章 核酸医薬の創製をめざして
はじめに / 周りをみれば「敵」ばかり / アプタマー医薬Macugenの構造から学ぶ / 4'-チオ核酸
第IV部 ナノサイエンスでバイオを操る
第14章 自己組織化多孔質薄膜による細胞の増殖・分化・機能制御
はじめに / 神経幹細胞と神経組織再生 / ハニカムフィルムの作製と構造 / ハニカムフィルム上の神経幹細胞の培養 / 免疫染色によるスフェロイドの同定 / スフェロイドを形成する神経幹細胞の機能 / 再生医療のための神経幹細胞増殖法 / ハニカムフィルムによる神経幹細胞分化・増殖制御機構 / おわりに
第15章 分子標的に特異的に作用する天然薬物の開発と創薬への利用
はじめに / 分子標的に特異的に作用する天然薬物の探索 / 新規チューブリンアッセイ系の構築 / 超高感度レーザー走査顕微分光/操作システムの開発 / おわりに
第16章 ナノバイオロジーによる単一細胞遺伝子発現解析
はじめに / 単一細胞の単離方法 / 単一細胞内のmRNAのコピー数(絶対数)を求めるためのリアルタイムPCR法 / mRNAのコピー数(絶対数)の重要性と検量線 / 単一細胞内のmRNAの変動とタンパク質の変動 / おわりに
第17章 神経系の発達・成熟・可塑性を制御する新規タンパク質ファミリーの発見とその機能解明
はじめに / 神経細胞の分化と神経栄養因子の役割 / 交感神経細胞の発達にともなう神経栄養因子応答性の獲得と変化 / 骨形成因子とレチノイン酸の作用の発見 / 生体内における骨形成因子とレチノイン酸作用の検証 / 交感神経細胞の分化・成熟に関与する転写因子群 / BRINPファミリー遺伝子の同定 / BRINPファミリータンパク質の機能 / おわりに
第V部 病態解明
第18章 ペプチド抗原と脂質を認識する2種のT細胞免疫系
はじめに / 2種の免疫系,自然免疫と獲得免疫 / 2種の獲得免疫系,液性免疫と細胞性免疫 / T細胞免疫系の成立 / T細胞の抗原認識にかかわる分子構造 / NKT細胞の発見 / NKT細胞の抗原認識と機能
第19章 細胞外マトリックス・テネイシンファミリーの生理機能
はじめに / テネイシンファミリー発見の経緯 / TNファミリーの分子進化 / テネイシンファミリーの機能 / おわりに
第20章 精巣と癌に高発現する遺伝子のポストゲノム研究
はじめに / D40遺伝子のクローニングの経緯 / D40遺伝子・タンパク質の構造 / 精巣におけるD40の発現 / 癌におけるD40遺伝子の発現 / 減数分裂とD40タンパク / おわりに
第21章 構造と機能の解析による遺伝子情報の制御法の開発
はじめに / 生体における細胞の増殖と細胞死アポトーシスの制御の重要性 / AKTの活性化と生体ホメオスターシスの維持 / プロトオンコジンTCL1の機能の解明 / AKTキナーゼを分子標的とした抗癌治療 / “Akt-in”の課題と展望 / 21世紀の生物学への展望
第22章 ヘリコバクター・ピロリ感染と胃癌
胃癌におけるピロリ菌感染の役割 / cagPAIとIV型分泌機構 / IV型分泌機構のエフェクター分子としてのCagA / 癌タンパクとしてのSHP-2の役割 / おわりに
用語解説
索 引
●著者紹介
北海道大学COE研究成果編集委員会
秋田 英万
北海道大学大学院薬学研究院 助手
荒木 陽一
北海道大学大学院薬学研究院
有賀 寛芳
北海道大学大学院薬学研究院 教授
五十嵐 靖之
北海道大学大学院先端生命科学研究院 教授
居城 邦治
北海道大学電子科学研究所 教授
伊藤 悦朗
徳島文理大学香川薬学部 教授
岩渕 和也
北海道大学遺伝子病制御研究所 助教授
上出 利光
北海道大学遺伝子病制御研究所 教授
長田 義仁
北海道大学 副学長・大学院理学研究院 教授
小野江 和則
北海道大学遺伝子病制御研究所 教授
角五 彰
北海道大学大学院理学研究院 助手
紙谷 浩之
北海道大学大学院薬学研究院 助教授
木原 章雄
北海道大学大学院薬学研究院 助教授
金城 政孝
北海道大学電子科学研究所 助教授
久保田 高明
北海道大学大学院薬学研究院 講師