商品説明
上田一郎編著
判型: B5 上製
頁数: 248
ISBN: 978-4-8329-8172-0
Cコード: C3045
発行日: 2007-02-28
●本書の特徴
本書では,植物が本来もっている防御応答の分子機構解明を目指す,これからの若い研究者を対象に,最新の防御応答分子機構を詳説した。植物が病原微生物を認識し,シグナル伝達系を通じて種々の防御応答が発現する一連の分子機構と,さらに病原微生物が宿主因子と相互作用して発現させる病原性,および宿主抵抗性の分子機構に関して,特定領域研究の成果を詳しく解説した。また具体的なデータをできるだけ多く掲載し,これに詳しい説明を加えて,読者が知識としてだけでなく,実際の研究に応用できるように努めた。
微生物の病原性と植物の防御応答について,最新の,かつ幅広い研究を知るための学生・院生・研究者必読の書である。
●目次
口 絵
はじめに
第1章 感染初期の認識と防御応答の始動
1.植物表面への糸状菌胞子の付着とその意義
2.植物細胞壁における病原菌シグナル認識と防御応答
3.炭そ病菌の侵入器官分化と情報ネットワーク—環境応答と遺伝子発現の制御機構
4.植物細胞における病原菌分子パターン(PAMPs)認識と防御応答誘導機構
5.エリシターの受容とオキシダティブバーストの分子機構とその機能
第2章 植物のプログラム細胞死
1.植物の感染防御応答におけるプログラム細胞死の制御機構
2.感染シグナル誘導性プログラム細胞死の制御と情報伝達の分子機構
第3章 毒素と病原性
ACR毒素を介した特異性決定の分子機構
第4章 感染のシグナル伝達と防御応答制御
1.防御応答遺伝子群の発現制御モニタリングとその応用
2.植物の病傷害防御応答の転写制御ネットワーク
3.転写因子EIN3の分解制御によるシグナル伝達
4.キュウリモザイクウイルス抵抗性におけるシグナル伝達機構
5.ウイルス感染応答のシグナル伝達機構—TMV-タバコ系
第5章 細菌病の病原性とシグナル伝達
1.細菌の植物感染戦略の分子機構—多犯性病原細菌の場合
2.感染過程における細胞増殖および細胞死の制御機構
3.イネにおける病原細菌認識と免疫反応誘導の分子機構
4.Pseudomonas syringaeによる植物免疫の活性化とその制御機構
5.Ralstonia solanacearumのHrpタイプIII分泌系を介した植物内増殖機構
第6章 ウイルスの病原性
1.カピロウイルスとポテックスウイルスの病原性遺伝子解析
2.クローバー葉脈黄化ウイルスの病原性遺伝子解析
第7章 ウイルスの複製・移行と宿主因子
1.ブロムモザイクウイルスの複製・移行と宿主因子
2.キュウリモザイクウイルスのRNAの翻訳と宿主因子
3.タバコモザイクウイルスの複製・移行と宿主因子
第8章 ウイルスのジーンサイレンシング抑制
1.ダイアンソウイルスのRNAサイレンシング抑制機構
2.Cucumovirusの2bタンパク質の機能について
索 引
Index
●著者紹介
上田 一郎
北海道大学大学院農学研究院教授
秋光 和也
香川大学農学部教授
石川 雅之
農業生物資源研究所上級研究員
石原 岳明
日本学術振興会特別研究員
一瀬 勇規
岡山大学大学院自然科学研究科教授
大橋 祐子
農業生物資源研究所特待研究員
奧野 哲郎
京都大学大学院農学研究科教授
小野 祥子
横浜国立大学ベンチャービジネスラボラトリー講師
鍵和田 聡
東京大学大学院農学生命科学研究科助手
賀来 華江
明治大学農学部助教授
川北 一人
名古屋大学大学院生命農学研究科教授
朽津 和幸
東京理科大学理工学部助教授,
東京理科大学ゲノム創薬研究センター副部門長
久能 均
三重大学名誉教授,
(株)赤塚植物園生物機能開発研究所所長
久保 康之
京都府立大学大学院農学研究科教授
蔡 晃植
長浜バイオ大学バイオサイエンス学部教授
坂本 勝
岩手生物工学研究センター 流動研究員