商品説明
判型: 四六 並製
頁数: 280
ISBN: 978-4-8329-3379-8
Cコード: C1037
発行日: 0-0-0
●本書の特徴
「大学全入」による大学入試の選抜機能の低下、高校の国民教育化に伴う必履修科目の縮減によって、機能不全に陥っている日本の高校・大学間接続にいかに対処するべきか。高校段階での客観的学力を把握する達成度テストの必要性を提起し、そのあるべき姿を提示する。
●版元から
3032
●目次
はじめに
揺れた2010-11年度入試
高大接続とは?
ボトムアップでの高大接続テスト検討のはじまり
高大接続テストへの案内
第I部 高大接続テストを検討する
第1章 高大接続に何が起きているのか
高大接続の構成要素と機能不全
1 大学入試の選抜機能の低下
2 基礎的教科・科目の履修——教育上の高大接続に生まれた障害
3 日本型の高大接続機能を回復させるのは可能か
第2章 日本型高大接続の転換のために——何が問題なのか
1 高校と大学の接続という課題
2 教育上の高大接続のための学力把握の必要性
3 日本型大学入試の転換の必要性
4 普通教育の再構築と高大接続
5 初年次教育・リメディアル教育の構築に向けて
第3章 高大接続テストの基本構造
1 高大接続テストの前提
2 高大接続テストの基本的性格——基礎的教科・科目の学習の達成度評価
3 目的と基本性格を満たすテストの探求
4 大学入試センター試験と高大接続テスト
第4章 高大接続テストの具体化のための課題
1 適切なテストの設計・構築
2 テストの構築・導入のための組織的検討
第5章 高大接続テストと教育・入試改革
テストですべてが解決するわけではない
1 教育面での高大接続のための改革の諸領域
2 大学入学者選抜制度の改革
高大接続テストの要点
第II部 日本型の大学入学者選抜をめぐって
第1章 大学入試批判と入学者選抜制度改革
1 日本型高大接続と大学の学力入試
2 1963(昭和38)年中教審答申と能研テスト
3 「四六答申」と共通第一次学力試験
4 一つの転換——「第三の教育改革」と高校教育・入学者選抜制度の変容
5 大学入試批判をかえりみて
第2章 日本型高大接続の構造的基盤
1 大学の収容力の慢性的不足
2 ナショナル・カリキュラムと卒業資格制度導入の困難
3 序列化と大学の単独選抜志向
結論にかえて——大学入試と高大接続の今後を担う主体形成のために
参考文献
あとがき
図表一覧
●著者紹介
佐々木 隆生
1945年岩手県生まれ。
1969年東北学院大学経済学部卒業、1975年東北大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。東北大学経済学部(1975〜77年)、北海道大学経済学部・経済学研究科(1977〜2005年)、北海道大学公共政策大学院(2005〜2011年)勤務を経て、現在、北星学園大学経済学部教授。博士(経済学)。
大学入試改革や高大接続問題に、国立大学協会第2常置委員会、入試委員会等の専門委員並びに文部科学省入試改善協議の委員(2003〜2011年)として従事。「高大接続テストの協議・研究」(2008〜2010年)の研究代表。
■主要著書
『国際資本移動の政治経済学』(藤原書店、1994年)
『国際公共財の政治経済学—危機・構造変化・国際協力』(岩波書店、2010年)
『構造変化と世界経済』(共編、藤原書店、1993年)
『ヨーロッパ統合の脱神話化—ポスト・マーストリヒトの政治経済学』(共編著、ミネルヴァ書房、1994年)
『構造変化の経済動学』(監訳、L. L. パシネッティ著、日本経済評論社、1998年)