商品説明
コリアン・ネットワーク ー メディア・移動の歴史と空間
玄武岩 著
定価:7,150円(本体価格6,500円+税)
判型:A5 上製
頁数:480
ISBN:978-4-8329-6775-5
Cコード:C3036
発行日:2013-02-28
●本書の特徴
20世紀に東アジアで展開されたコリアンの越境・メディア・故郷の再生をネットワークとして捉え、朝鮮半島、日本、中国東北部、極東ロシア、サハリンという多様な地域における移動と定住、アイデンティティの諸相を考察。コリアン系のネットワークをあぶりだす。
●目次
序章 東アジアとコリアン・ディアスポラ:共同体からネットワークへ
1 コリアン・ネットワーク論の構築:本書の課題
2 方法概念としてのネットワーク
3 メディアと移動のトランスナショナルなネットワーク:先行研究および分析枠組み
4 本書の構成
〔第1部 メディアのコリアン・ネットワーク〕
第1章 東アジアのなかのコリアン・ネットワーク:その歴史的生成
1 朝鮮の越境的・多層的ナショナリズム
2 在外同胞の誕生
3 朝鮮の代表=表象と保護撫育政策
4 「巡り」のネットワーク:日常のなかの抵抗
5 コリアン・ネットワークの歴史的意味
小括
第2章 越境するエスニック・メディア:極東ロシアの沿海州を中心とするコリアンのメディア・ネットワーク
1 エスニック新聞のトランスナショナリズム
2 日露関係のなかの朝鮮
3 在外韓人新聞の時代:植民地化のなかのメディア空間
4 『海朝新聞』:旧来者と新来者のコラボレーション
5 『大東共報』のエスニック・メディア・ネットワーク
6 『勧業新聞』:勧業会の機関紙
7 在外韓人新聞とコリアン・ネットワーク
小括
第3章 「尋ね人」番組のネットワーク:サハリンと故郷をむすぶ離散家族捜し放送
1 ラジオを聴く人たち
2 置き去りにされた朝鮮人
3 帰還交渉の始動
4 膠着する帰還交渉
5 「尋ね人」番組のネットワーク
6 サハリンを競う:韓国と北朝鮮のはざま
7 永住帰国、そして戦後補償としてのサハリン
小括
第4章 浮遊するディアスポラ:「延辺チョンガー」をめぐる中国朝鮮族のアイデンティティ・ポリティクス
1 「アンチ延辺チョンガー」:ネイティブとディアスポラの対決と対話
2 サイバースペースの競合するアイデンティティ
3 「韓民族ネットワーク共同体」という問題系
4 表象としての中国朝鮮族
5 ヴァーチャル・コリアン・ネットワークの虚実:封じられたマイノリティの声
6 アイデンティティ・ポリティクスを超えて:開かれた自己決定へ
小括
〔第2部 生活空間の創造と故郷の再生〕
第5章 越境する周辺:中国延辺朝鮮族自治州におけるエスニック空間の再編
1 可視化される中国朝鮮族
2 帝国言語の遺産と中国朝鮮族
3 グローバル化のなかのエスニック空間の変容
4 延辺朝鮮族自治州のエスニック空間
5 変容する延辺のメディア空間
6 越境的アイデンティティの実践
小括
第6章 歴史なき民の復権:極東ロシア高麗人における「故郷」の再生
1 終わりのない移住史:高麗人の再々移住
2 沿海州:東アジアの多国的・多地域的空間
3 「故郷」の再生とコリアン・ネットワーク
4 エスニック市民運動:民運動と民族運動の接合
5 歴史なき民の歴史の復権/反復
6 「故郷」、空間化された記憶の政治
小括
第7章 帰還のネットワーク:戦後在日朝鮮人の帰還と本国の救護活動
1 帰還のネットワーク
2 南朝鮮における「帰還同胞」の救護活動
3 在外同胞から戦災同胞へ
4 「在日」と本国のネットワーク
5 「在日」としての蓋然性のなかで
小括
第8章 密航・大村収容所・済州島:大阪と済州島をむすぶ「密航」のネットワーク
1 ヘテロトピアの大村収容所
2 被爆者・脱走兵・刑余者
3 メタファーとしての「密航」
4 「密航」の景観
5 「場違い」のヘゲモニー装置
6 日韓会談と大村収容所
7 順応と反乱:転覆される国民国家化のプロジェクト
8 「密航」のネットワーク
9 済州島の街で
小括
終章 東アジアの新世紀とコリアン・ネットワーク:リベラル・ナショナリズムからの問い
1 論点の整理と課題
2 リベラル・ナショナリズムとしてのコリアン・ネットワーク
3 コリアン・ネットワークの現実と課題
資料・参考文献
あとがき
人名索引
事項索引
●著者紹介
玄武岩(ヒョン・ムアン/Hyun Mooam)
1969年生まれ,韓国済州島出身。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会情報学)。
東京大学大学院情報学環助手を経て,
2007年より北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授。
著書に『韓国のデジタル・デモクラシー』(集英社新書,2005年),『統一コリア:東アジアの新秩序を展望する』(光文社新書,2007年),『興亡の世界史18 大日本・満州帝国の遺産』(姜尚中との共著,講談社,2010年)など。
(本書刊行時の情報です)