商品説明
吉野悦雄著
判型: A4 上製
頁数: 192
ISBN: 978-4-8329-6111-1
Cコード: C3036
発行日: 2000-02-29
●本書の特徴
複数民族社会における民族共存の条件は何か.個別家庭の歴史から社会全体を分析する微視的制度分析を現代のリトアニアに適用.46の家庭への長時間の聞き取りに基づき詳細な家系図を作成.宗教・言語・学校教育・経済格差のミクロ的分析を通し,その条件を探る.
●目次
まえがき
本書を読むにあたって
第I部 微視的制度分析
第1章 研究方法論:微視的制度分析
第1節 緒 論
第2節 消費理論の限界:問題の所在
第3節 微視的制度研究の特徴と関連する先行研究
第4節 比較経済システム分析におけるマクロ的大量観察手法への批判
第5節 制度経済学との関連
第2章 民族と家族史からみたリトアニア史
第1節 はじめに
第2節 13世紀までのリトアニア
第3節 リトアニアのアジア系民族の起源
第4節 ドイツ騎士団との戦いとリトアニア・ポーランドの合同
第5節 ドイツ騎士団の脅威の解消とロシアの脅威の増大
第6節 ユダヤ人の西欧からの追放と東欧への流入
第7節 三国分割によるポーランドの消滅から第一次世界大戦まで
第8節 ユダヤ人の米国移民とユダヤ人虐殺(ポグロム)
第9節 リトアニアの独立と国境線の確定
第10節 戦間期リトアニアの民族構成:宗教と言語
第11節 戦間期リトアニアの学校教育:ポーランドとの対立
第12節 第二次世界大戦勃発から1940年のソ連占領まで
第13節 ソ連占領から1941年のドイツ占領まで
第14節 ドイツ占領期
第15節 リトアニア戦後史
第16節 現在のリトアニアの行政区
第3章 現代リトアニアの民族と宗教
第1節 マクロ・レベルでの民族構成
第2節 ミクロ・レベルでの民族構成
第3節 民族と職業と所得格差
第4節 民族と婚姻関係
第5節 現代リトアニアの宗教
第6節 ロシア正教古儀式派・タタール人・カライム人
第4章 現代リトアニアの言語と学校教育
第1節 マクロ・レベルとミクロ・レベルでの言語構成
第2節 リトアニア・ポーランド両民族共存地域での言語
第3節 言語・民族・宗教と学校療育
第5章 複数民族環境における市場経済化:微視的視点から
第1節 分析の範囲
第2節 失業と民族問題
第3節 新規創業の民間企業と民族環境
補 章 対西側移民出入国と体制転換後の経済過程:微視的制度研究に基づくマクロ経済分析
要 約
第1節 問題の所在と分析モデル
第2節 関連研究の状況
第3節 データの所在と公開度
第4節 移民出国の二側面とイスラエル移民の特殊性
第5節 各国データにおける留意点
第6節 アクティブな移民層に関する対数型仮説
第7節 移民出国率による経済過程の分析
第8節 体制転換後の再帰国者とチェコとスロバキアの特殊性
第9節 移民出入国の合計とGDP変化率
第10節 結 語
第II部 家系図分析
家系図分析 概要
44家庭の家系図
フィールド調査をめざす若い世代の研究者のために——あとがきにかえて
●著者紹介
吉野 悦雄
1949年生まれ
東北大学経済学部、同大学院修士課程、ワルシャワ経済大学博士課程を修了
1992年より北海道大学経済学部教授
経済学博士(ワルシャワ経済大学)
【主要著書】
『社会主義経済改革論』(木鐸社、1987)
『ポーランド労働法体系(全3巻)』(日本労働研究機構、1990)
『ポーランドの農業と農民』(木鐸社、1993)