商品説明
近代中央アジアの綿花栽培と遊牧民 ー GISによるフェルガナ経済史
植田 暁 著
定価:8,250円(本体価格7,500円+税)
判型:A5 並製
頁数:310
ISBN:978-4-8329-6859-2
Cコード:C3033
発行日:2020-02-28
●本書の特徴
中央アジア・フェルガナ地方における遊牧民の農耕化と定住民による綿花モノカルチャーの進展に注目し、ロシア帝国への併合からソ連初期に至るまでの経済構造の変化を分析。地理情報システム(GIS)を活用し、歴史史料から新情報を引き出し従来の見方に対して新しい議論を提起する。
●目次
口絵
凡例
序論 綿花と遊牧が映す中央アジア史
近代史におけるフェルガナ地方
地理情報システム(GIS)と歴史学
問題設定と先行研究
史料
第1章 フェルガナ盆地の諸集団――綿花モノカルチャーの担い手
はじめに
第1節 綿花モノカルチャーの成立
第2節 諸集団の分布と生業
第3節 バザールの機能とオアシスの拡大
小結
第2章 クルグズ遊牧民とロシア人入植者――フェルガナ地方山麓部の動態
はじめに
第1節 フェルガナ地方のクルグズ遊牧民の社会経済的状況
第2節 山麓部における天水農耕普及の要因
第3節 ロシア人入植の開始と不法移民
小結
第3章 1916年反乱における現地民とロシア人入植者
はじめに
第1節 フェルガナ地方における1916年反乱
第2節 飢餓草原とタイルシャイフ草原における1916年反乱
第3節 フェルガナ農民軍とフェルガナ臨時政府
小結
第4章 ウズベク民族の創出――1924年民族別境界画定
はじめに
第1節 バスマチ運動期の人口動態と難民
第2節 1924年民族別境界画定とウズベク民族の創出
第3節 カシュガル人の消失とウイグル人の誕生
小結
第5章 綿花モノカルチャーの後退と復興――1917-1929年
はじめに
第1節 戦乱による荒廃と綿作の復興
第2節 ソヴィエト政権による綿作復興の試みと農村の統制
第3節 食糧問題と山麓部の変化
小結
結論 農牧接壌地帯の変容
註
後書き
補足図表
図表一覧
参考文献
地名索引
事項・人名索引
●著者紹介
植田 暁(ウエダ アキラ)
1984年 神奈川県横浜市に生まれる
2017年 東京大学人文社会系研究科博士課程単位取得退学 博士(文学)
現在 日本貿易振興機構アジア経済研究所 研究員
専門 中央アジア経済史
(本書刊行時の情報です)