商品説明
小林好宏著
判型: 四六 上製
頁数: 200
ISBN: 978-4-8329-6729-8
Cコード: C1033
発行日: 2010-03-10
●本書の特徴
長年にわたり北海道の経済政策に関わってきた著者が,その過去・現在・未来についての主要な論争点,すなわち中央政府による開発体制の評価,札幌一極集中をめぐる論点,北海道自立に関する議論,を取り上げ,それぞれの主張に対する持論を平易に展開。併せて北海道開発に関する諸制度の変遷を解説する。
●目次
プロローグ
(1) 本書の視点/(2) 日本の他地域とは異なる北海道の特徴
第一章 これまでの北海道の経済と開発
はじめに
第一節 北海道開発の歴史——戦前期
第二節 戦後の北海道——その役割
第三節 戦後の日本経済と北海道経済——高度成長期まで
第四節 戦後北海道の開発体制
第二章 北海道の現状と問題点
はじめに
第一節 高度成長に乗り遅れた北海道
(1)資源供給地の役割の喪失/(2)石炭から石油への主要エネ
ルギーの転換/(3) 工業化への乗り遅れ/(4) 開発政策の失敗/
(5) タイミングの遅れ/(6) その他の外的要因
第二節 北海道の産業構造——高度成長期から現在まで
第三節 北海道経済の問題点——域際収支の赤字
第四節 一九九〇年代の北海道——大規模リゾート開発の失敗と拓銀破綻
(1) 一九八〇年代までの概観/(2) バブルの発生と崩壊/(3) 複
合不況から拓銀破綻へ/(4) 大規模リゾート開発の失敗
第三章 これからの北海道の戦略
はじめに
第一節 北海道の比較優位性
(1)産業面での比較優位性/(2) 資源的要因/(3)環境面での比
較優位性/(4)地理的、歴史的要因/(5)その他の要因
第二節 これからの経済社会と北海道の目標
第三節 大都市札幌の位置づけと魅力
(1)我が国の国土政策のあり方/(2) 中枢都市の機能/(3) 札幌
の都市的魅力—賑わいを中心に
第四節 北海道の観光
(1) なぜ観光か—今日における意義/(2) 北海道の地方圏と業と
しての観光/(3) 北海道観光の問題点とこれからの戦略/(4) ま
とめ
補 論
はじめに
一 北海道開発を問い直す
(1) 北海道開発の役割は終わったのか/(2) 北海道開発予算の仕組み
と特徴
二 もし北海道が独立したら——思考実験としての北海道独立論
参考文献
あとがき
●著者紹介
小林 好宏
1935年 札幌生まれ
1957年 北海道大学経済学部卒業
1962年 同大学院博士課程を終えて山口大学講師
1965年 北海道大学助教授
1977年 北海道大学教授
1998年 定年退官。この間,米国ポ—トランド州立大学,カナダ・セント
メリー大学で,客員講師を務める
1998〜2005年 札幌大学教授
2005〜2009年 北海道武蔵女子短期大学学長
現 在 (財)北海道開発協会会長,(財)北海道地域総合振興機構(はまな
す財団)会長
経済学博士,北海道大学名誉教授
主 著
『寡占経済の動態分析』厚生社恒星閣,1970
『日本経済の寡占機構』新評論,1971
『管理価格』ダイヤモンド社,1971
『寡占企業の行動分析』春秋社,1976
『企業集団の分析』北海道大学図書刊行会,1980
『サービス化社会を読む眼』中央経済社,1988
『現代がわかる経済学』中央経済社,1989
『いま経済学に求められていること』中央経済社,1994
『サービス経済社会』中央経済社,1999
『公共事業と環境問題』中央経済社,2003
『パターナリズムと経済学』現代図書,2005