商品説明
篠塚信義・石坂昭雄・高橋秀行編著
判型: A5 上製
頁数: 434
ISBN: 978-4-8329-6351-1
Cコード: C3033
発行日: 2003-02-28
●本書の特徴
近年、社会経済史学におけてプロト工業化、地域工業化研究が活況を呈している。工業化過程において地域経済を重視する視点から、地域工業化そのものに加え、さまざまな前提条件や固有の初期条件を検証・分析。多様な個性を持つ地域の工業化が織りなす複合現象として産業革命を捉える、長年の共同研究の成果。
●目次
はしがき
第一部 比較工業化論
1 地域工業化の新たな条件を求めて
——工業化がヨーロッパのイギリスで最初に開始されたのはなぜだろうか………篠塚信義
1 比較史的展望のもとでのヨーロッパ
2 ステイツ・システムと帝国
3 信用精度の地域的特質
4 工業化の始動と自発的結社(ヴォランタリー・アソシエーション)
2 市場経済の類型学と比較経済発展論………斎藤 修
はじめに
1 問題の設定
2 市場の秩序
3 市場と非市場組織
4 競争主体としての地域
5 比較工業化論への含意
3 東アジアからみたヨーロッパの工業化………杉原 薫
1 比較史の現在
2 スミス型成長とその条件
3 国家と地域システムの役割
4 工業化型国際秩序の成立
4 伝統市場と地域流動性の比較史………黒田明伸
はじめに
1 自己組織化された地域流動性——伝統中国における小農と市場町
2 地域流動性の他律的調整——絶対王政期以前の西欧の場合
3 地域流動性の座標
4 地域工業化の遠近
第二部 地域工業化
5 西ヨーロッパの国境地帯における工業地域の形成と展開
——トゥウェンテ=西ミュンスターラント綿工業地域と
ザール=ロレーヌ=ルクセンブルク石炭・鉄鋼業地域の例により………石坂昭雄
はじめに
1 トゥエンテ=西ミュンスターラント綿工業地帯
2 ザール=ロレーヌ=ルクセンブルク石炭・鉄鋼業地域
おわりに
6 北フランスにおける地域工業化の諸相
——業種転換とマルシャン・ファブリカンの役割………佐村明知
はじめに
1 農村工業の成長と衰退
2 綿工業の勃興と業種の再転換
3 工業化要因とマルシャン・ファブリカン
むすび
7 19世紀アイルランドにおける工業化の特質………斎藤英里
はじめに——問題の所在
1 アイルランド経済史における「地域工業化」研究
2 アイルランドにおける工業化の前提
3 工業化の地域的諸相
おわりに
8 19世紀前半のハプスブルク帝国における工業化の特徴
——地域工業化の視点から………御園生 眞
はじめに
1 ボヘミア
2 ニーダ・エスターライヒ
3 フォアアールベルク
おわりに
9 動機としての「地域社会」——日本における「地域工業化」と投資活動………谷本雅之
はじめに
1 地方資産家の投資パターン
2 地方資産家の諸活動——ケース・スタディ
3 展望——動機としての「地域社会」
第三部 都市と工業化
10 近世ロンドンの発展とその地域経済構造………酒田利夫
はじめに
1 16—17世紀ロンドンの人口と経済
2 17世紀シティの職業構造
3 17世紀郊外の職業構造
11 19世紀後半イギリス製鉄工業地域における都市形成と労働市場………安元 稔
はじめに
1 ミドルズブロウの都市形成
2製鉄工業都市への転換と産業蓄積
3 労働市場
むすびにかえて
12 ベルリーン経済圏における地域工業化の始動(18世紀末—19世紀中葉)
——首都圏工業化のケース………高橋秀行
はじめに
1 工業化の初期条件と市域の拡大
2 19世紀前半、ベルリーンの人口変動と就業構造の推移
3 第一局面:個行家の緩慢な歩み(1800—37年)
4 第二局面:工業化の加速(1837—49年)
むすび
13 19世紀後半—20世紀初頭におけるフランクフルト・アム・マインの工業化と自治体合併
………馬場 哲
はじめに
1 フランクフルトの経済構造と工業化
2 フランクフルト周辺地域の工業化
3 自治体合併によるフランクフルトの工業化
おわりに
事項索引
人名・地域・その他固有名詞索引
●著者紹介
篠塚 信義
1935年 茨城県に生まれる
1963年 東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了
現在 関東学園大学経済学部教授、東北大学名誉教授
石坂 昭雄
1935年 京都市に生まれる
1964年 東京大学大学院経済学研究科博士課程修了
現在 札幌大学経済学部教授、北海道大学名誉教授
高橋 秀行
1935年 神戸市に生まれる
1963年 神戸大学大学院経済学研究科博士課程修了
現在 流通科学大学情報学部教授、神戸大学名誉教授