商品説明
北海道で平和を考える
深瀬忠一・森 杲・中村研一 編
定価:1,760円(本体価格1,600円+税)
判型:四六 並製
頁数:312
ISBN:978-4-8329-3131-2
Cコード:C1031
発行日:1988-11-10
●本書の特徴
軍事拡張の最前線に位置する「北海道」の現実から出発し,多彩なメンバーが,政治・経済さらには領土問題,民族問題にいたる広範な視野から,地域からの「平和」の意味を掘り下げて検討.
●目次
〔1 軍事化の最前線〕
米ソ核戦略の間で………豊田利幸
1 軍事緊張をもたらすもの
2 核兵器体系と北海道
3 宇宙に広がる核戦略
軍事基地北海道………松井 愈
1 米世界戦略の焦点
2 北をつかがうC³I基地群
3 三沢米空軍と北部方面航空隊
4 宗谷・津軽海峡封鎖と海上自衛隊
5 北海道の陸上戦力
6 北海道を戦場に展開されてきた北方機動演習
7 日米統合実動演習にみる、自衛隊の米軍への組み込みの到達点
軍事化から平和保障へ………深瀬忠一
1 軍事化の最前戦と平和化の最前線
2 恵庭・長沼裁判の教訓と「平和的生存権」論の進展
3 平和憲法的「総合平和保障基本法」構想の提唱と現実的可能性
4 平和化構想は北海道で実現の歩みが始まっている
〈資料〉総合的平和保障基本法試案
〔2 地域国際化への道〕
日露・日ソ関係と第三国の介入………外川継男
1 初期の日露交渉
2 幕末から明治時代
3 第二次大戦後の日ソ関係
4 明治の知識人に学ぶ
北方領土問題の核心………竹岡勝美
1 日ソ友好を希求して
2 北方領土返還論の論拠
3 「千島列島」請求権の放棄
4 解決への私見
日ソ民際交流運動の現在………坪井主税
1 交流事例
2 "制度化"されたソ連人との民際交流
3 交流の"大衆化"へ
北海道の国際交流と平和外交………横路孝弘
国際化の潮流/新・地方の時代/世界の頭脳が開拓期に/交流の大地/アジア・太平洋地域の玄関/開かれた地域杜会に/北の知恵を学ぶ/トライアングル交流/外国企業の誘致/市町村では、いま/活発な民間交流/内なる国際化
〔3 平和な発展の可能性〕
どのような経済発展をめざすのか………森 杲
1 「構造不況」から最近の「景気回復」へ
2 「自立」「官依存からの脱却」の課題
3 産業構造転換の課題
4 大規模リゾート開発
5 「国際化」の課題
幌延:住民の選択………神沼公三郎
1 再処理は必要ない:したがって高レベル核廃棄物も発生しない
2 幌延問題の経過に現われた原子力三原則否定の体質
3 核廃棄物施設の誘致に走る論理
4 真の地域振興の可能性
国家と地域開発………西川 潤
1 近代国家と開発
2 北海道の内発的発展の展望
〔4 平和をつくりだす〕
非戦を訴えた札幌市民たち………松沢弘陽
1 非戦論をはぐくんだもの
2 日露開戦と非戦論
3 非戦論者に対する迫害とその
差別の歴史を掘り起こす………大友陽子
1 歴史
2 二つの掘り起こし
少数民族としてのアイヌ………小川隆吉
1 自然と共生する
2 アイヌ民族にとっての教科書問題
3 ァイヌ民族の新法制定を求めて
4 世界の少数民族とともに
あとがき
編者・執筆者紹介
●著者紹介
深瀬 忠一(ふかせ ただかず)
1927年生まれ。北海道大学法学部教授。憲法学・比較憲法学。恵庭・長沼裁判など憲法裁判運動に従事。平和憲法やフランス憲法研究を進める。
森 杲(もり たかし)
1936年生まれ。北海道大学経済学部教授。企業論・アメリカ経済論。軍拡・軍縮の経済分析、北海道の中小企業について研究。
中村 研一(なかむら けんいち)
1948年生まれ。北海道大学法学部助教授。国際政治・平和研究。北海道の未来についても国際的な視野からの提言を行なっている。
豊田 利幸(とよだ としゆき)
1920年生まれ。明治学院大学教授・明治学院国際平和研究所長。理論物理学。科学者による軍縮運動を推進、長年、パグウォッシュ会議理事を務めた。
松井 愈(まつい さとる)
1923年生まれ。元北海道大学理学部教授。地質学。北海道平和委員会代表理事として、軍事基地に対する監視・調査活動を続けている。
外川 継男(とがわ つぐお)
1934年生まれ。上智大学外国語学部教授。前北海道大学スラプ研究センタ—長。ロシア史。日露・日ソ関係史の造詣が深い。
竹岡 勝美(たけおか かつみ)
1923年生まれ。警察界を経て、元防衛庁官房長。その経験に基づき、日本の現状に対する批判的発言を行なっている。
坪井 主税(つぼい ちから)
1941年生まれ。札幌学院大学人文学部助教授。平和研究・英語。日ソ民際交流など市民運動に携わる。
横路 孝弘(よこみち たかひろ)
1941年生まれ。弁護士、衆議院議員を経て、1983年より北海道知事。
神沼 公三郎(かぬま きんざぶろう)
1949年生まれ。北海道大学農学部附属和歌山地方演習林長。林業経済論・森林施業論。1987年まで同天塩地方演習林に所属し、幌延問題について発言。
西川 潤(にしかわ じゅん)
1936年生まれ。早稲田大学政治経済学部教授。国際経済論。南北問題を中心に研究。元日本平和学会会長。
松沢 弘陽(まつさわ ひろあき)
1930年生まれ。北海道大学法学部教授。日本政治思想史。内村鑑三・福沢諭吉・明治社会主義者などの思想を研究。
大友 陽子(おおとも ようこ)
1940年生まれ。北星学園大学専任講師。新約聖書神学。アムネスティ・インターナショナルなど人権擁護運動に携わる。
小川 隆吉(おがわ りゅうきち)
1935年生まれ。北海道ウタリ協会理事、アイヌ民族文化伝承の会会長。アイヌ民族の新法制定運動の中心の一人として活躍中。
(本書刊行時の情報です)