商品説明
中村 睦男著
判型: A5 並製
頁数: 378
ISBN: 978-4-8329-6841-7
Cコード: C3032
発行日: 2018-02-25
●本書の特徴
ウタリ対策有識者懇談会を始め、長年にわたりアイヌ文化振興法の制定に関わってきた現アイヌ民族文化財団理事長の著者が、北海道旧土人保護法の制定から新たなアイヌ文化振興法に至るまでの過程を詳細に解説。合わせてアイヌ民族法制をめぐる憲法問題の論点を提示する。
●目次
はしがき
第1章 明治政府によるアイヌ政策と北海道旧土人保護法の制定
第1節 明治政府の成立とアイヌ政策
第2節 北海道旧土人保護法の制定
第3節 北海道旧土人保護法の実施
第4節 旭川市旧土人保護地処分法の制定
第5節 1937年の北海道旧土人保護法改正
第2章 北海道ウタリ協会の結成と「アイヌ民族に関する法律(案)」の作成
第1節 北海道アイヌ協会の創立から北海道ウタリ協会へ
第2節 「アイヌ民族に関する法律(案)」の作成
第3節 北海道のウタリ問題懇話会による「アイヌ新法」の検討
第4節 ウタリ問題懇話会報告に関する問題点の検討
第3章 アイヌ文化振興法の制定
第1節 アイヌ新法制定に向けてのアイヌ民族の活動と政府の対応
第2節 村山富市内閣の成立と萱野茂議員の誕生
第3節 「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」の設置と報告書の提出
第4節 アイヌ文化振興法の制定
第4章 アイヌ文化振興法の施行とアイヌ政策の新たな展開
第1節 アイヌ文化振興法の施行
第2節 アイヌ政策の新たな展開
第3節 「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」の設置と報告書の提出
第4節 アイヌ政策の新たな展開へ向けて
第5章 アイヌ民族法制をめぐる憲法問題
第1節 憲法による人権保障の体制
第2節 国際人権条約による人権の保障
第3節 日本国憲法とアイヌ民族の権利
おわりに──アイヌ先住民法制の確立に向けて
1 アイヌ文化振興法に残された課題
2 先住民族に向けての国際連合機関の役割
3 裁判所の役割
●著者紹介
中村 睦男
1939年2月 札幌市生まれ
1957年3月 北海道立室蘭栄高校卒業
1961年3月 北海道大学法学部卒業
1963年3月 北海道大学大学院法学研究科修士課程修了
1963年4月 北海道大学法学部助手
1965年10月〜1967年9月 ポワチエ大学留学(フランス政府給費生)
1970年7月 北海道大学法学部助教授
1973年9月 法学博士(北海道大学)
1974年7月 北海道大学法学部教授
1988年12月〜1990年12月 北海道大学法学部長
1997年4月〜1999年3月 北海道大学副学長
2001年5月〜2007年4月 北海道大学総長
2007年9月〜2010年3月 北海学園大学法学研究科教授
2009年10月 アイヌ文化振興・研究推進機構理事長
2015年10月 北海道功労賞受賞
■主な編著書
『社会権法理の形成』(有斐閣・1973年)
『社会権の解釈』(有斐閣・1983年)
『論点憲法教室』(有斐閣・1990年)
『憲法30講〈新版〉』(青林書院・1999年)
『生存権・教育権』[永井憲一と共著](法律文化社・1985年)
『議員立法の研究』[編著](信山社・1993年)
『ファンダメンタル憲法』[佐藤幸治・野中俊彦と共著](有斐閣・1994年)
『憲法裁判50年』[常本照樹と共著](悠々社・1997年)
『立法過程の研究』[前田英昭と共編著](信山社・1997年)
『憲法Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ』[樋口陽一・佐藤幸治・浦部法穂と共著]
(青林書院・1994,1997,1998,2004年)
『憲法Ⅰ,Ⅱ〈第5版〉』[野中俊彦・高橋和之・高見勝利と共著](有斐閣・2012年)
『はじめての憲法学〈第3版〉』[編著](三省堂・2015年)
『世界の人権保障』[佐々木雅寿・寺島壽一と共編著](三省堂・2017年)