商品説明
化学物質管理法の成立と発展 ー 科学的不確実性に挑んだ日米欧の50年
辻 信一 著
定価:11,000円(本体価格10,000円+税)
判型:A5 上製
頁数:576
ISBN:978-4-8329-6822-6
Cコード:C3032
発行日:2016-03-31
●本書の特徴
環境法の中には,科学的不確実性を有する規制対象に対処するため予防原則,順応的管理などの考え方をとり入れているものがあるが,その仕組みは国によって異なる。それらは各国における法制度の制定経緯の違いに根ざしていると考えられる。
本書は,今後,科学的不確実性を有する対象に規制措置を発動するにあたっての予防原則,順応的管理の適用場面やその程度を決定する際の参考になることを意識して,日本,米国,欧州の化学物質管理法をとりあげて検討した。それぞれの制定時や改正時における法規制の考え方などを把握し,制度の発展経緯と特徴を比較検討することにより,科学的不確実性に対処する際の法規制の適用領域とその限界について考察した。
●目次
まえがき
序章 化学物質のリスクとその管理
はじめに
1.リスクとその対処
2.化学物質の有するリスク
3.化学物質のリスク評価の概要
4.化学物質のリスク管理の基本的な考え方
5.リスク管理手法の新たな展開
6.化学物質の有するリスクへの法的対応
7.科学的不確実性を有する課題に対する政策決定
第1章 わが国の化審法の成立と発展
はじめに
1.化学物質管理の特徴:科学的不確実性と既存化学物質の存在
2.化審法とTSCAの成立:化学物質管理における予防原則の始まりとわが国の継受
3.リスク配慮の導入:指定化学物質制度と「危険の疑い」
4.生態系保護規定の導入:科学的不確実性の限界事例への対応
5.既存化学物質問題への対処:WSSD実施計画とREACHの登場
6.順応的管理の導入:化学物質管理における新たな試み
章のおわりに
第2章 米国有害物質規制法の成立と発展
はじめに
1.TSCAの構造
2.TSCAの成立過程における制約の導入
3.TSCA改正への動き
4.考察
章のおわりに
第3章 欧州における化学物質管理法の成立と発展
はじめに
1.化学物質の有するリスクの特徴と法的対応
2.ドイツにおける化学物質管理政策の推移と環境保護概念の欧州への展開
3.既存化学物質への対応とREACHの登場
4.考察
終章
付表
事項・人名索引
判例索引
●著者紹介
辻 信一(つじ しんいち)
1985年 京都大学大学院工学研究科修了
同年 通商産業省入省
現在 名古屋大学特任教授
専攻 環境法,環境政策
おもな編著書:
『汚染とリスクを制御する(シリーズ 環境政策の新地平6)』(大沼あゆみ・岸本充生編,共著,岩波書店,2015年)
(本書刊行時の情報です)