1.法のクレオールと法的観念の翻訳………長谷川 晃
I はじめに——法のクレオールの視座が照射しようとするもの
II 法のクレオールの概念(1)——クレオール過程とクレオール状況の複合
III 法のクレオールの概念(2)——法のクレオールにおける主体性
IV 法のクレオールと法的観念の翻訳
2.日本における法文化の変容と法のクレオール………尾崎一郎
I 「文化」対「制度」?
II 文化の概念
III 社会秩序の法化と法文化
IV 法の普遍性と法文化の変容
3.人々は法律用語をいかに概念化するか——「権利」、「Hak」、「Right」………松村良之
I 問題
II 「権利」という言葉について
III 日本
IV インドネシア
V 米国
VI インドネシアおよび米国のデータの特徴
VII 3カ国データを比較して
VIII 終わりに
4.フランス古法時代の一法格言に関する覚書——取消・原状回復をめぐって………齋藤哲志
I 放棄条項と取消状
II 取消状と原状回復
5.訴訟法書・公証手引書における「職権と当事者」
——12・13世紀「法生活の学問化」の一断面………水野浩二
I 問題の設定
II 「実務的」文献における効用フレーズの叙述
III 効用フレーズ使用の具体相
6.中世後期ドイツの学識法曹と政治・外交活動………田口正樹
I 20世紀後半におけるローマ法継受研究の展開
II 大学と学識法曹
III 政治・外交分野における学識法曹
7.ヴェーバーの「解釈的理解」と近代・近代法批判
——アーレントとガダマーの間?! ………今井弘道
I アーレントの「政治的判断力」と「賢慮」
II 「規定的判断力」・「反省的判断力」と「解釈学的循環」
III ヴェーバーの「政治的判断力」
IV ヴェーバーの歴史的意識と政治的展望
V ヴェーバーの「心情倫理」とLegalism
VI 法律的判断と政治的判断
VII ヴェーバーの「責任倫理」と「客観的可能性」
VIII ヴェーバーのpragmatischな歴史理解・社会理解
IX まとめに代えて
8.EUのなかのイギリスにおける憲法の主体的なクレオール………中村民雄
I はじめに
II イギリス憲法におけるEU法の受容
III むすび
9.米国憲法訴訟の“外部”へのまなざし………会沢 恒
I はじめに
II 連邦最高裁による実務の展開
III 「アメリカ」の自己イメージとトランスナショナルな典拠の参照
IV 結
10.近世前期の裁判物にみる上方都市の社会構造——「民事裁判」をめぐって………桑原朝子
I 序
II 日中の裁判関連テクストと「民事裁判」
III 町人のコミュニティーと「民事裁判」
IV 近世前期の町をめぐる意識構造
V 結
11.法のナラティヴと法的推論——志賀直哉『范の犯罪』を素材に………林田清明
I はじめに
II ナラティヴとしての法
III 法の物語と隠された物語
IV 物語を裁く
V おわりに
12.中国における個別事例を通じた規範変革運動の展開とその意義
——中国法のあらたな段階………鈴木 賢
I はじめに
II 「影響性訴訟」とは何か?
III 影響性訴訟概観(2005?2009年)
IV 若干の具体例
V むすびにかえて