商品説明
吉田克己編著
判型: A5 並製
頁数: 254
ISBN: 978-4-8329-6737-3
Cコード: C3032
発行日: 2011-02-25
●本書の特徴
本書は、90年代以降加速する公私協働の動きを理論的に解明し、新たな実定法学パラダイムを構築することを目指す。公共的利益を確保するために、公的・私的主体がどのように協働できるのか、そして環境法における行政法・刑法など公法と私法の交錯にも注目する。
『競争秩序と公私協働』と姉妹編。
●目次
はしがき………吉田克己
第1部 環境秩序への多元的アプローチ
趣旨説明………吉田克己
報告1 環境行政法における公益,個別的利益,共同利益………亘理 格
1 はじめに
2 公益への個別的利益の組み込み——公共施設・公共事業の公益性をめぐる事件を例に
3 公益達成のための手段としての個別的利益の法的保護利益性
4 結 び
報告2 環境保護における刑法の機能と視座——近代刑法原理を超えて………伊東研祐
1 はじめに
2 刑法学における議論の特殊性
3 法益としての環境
コメント………山下竜一
〈討論〉(午前の部)………池田清治・吉田克己・亘理 格・伊東研祐・長谷川 晃・長谷川貴陽史・
瀬川信久・堀口健夫
報告3 「環境」をめぐる法的諸相——市場の論理・共同体の利益・個人の自律………水野 謙
1 はじめに——問題の所在
2 自然的環境と人間との関わり合い・その1——公害事例
3 自然的環境と人間との関わり合い・その2——景観侵害事例
4 社会的環境と人間との関わり合い——プライバシー侵害事例
5 おわりに——「環境」問題と個人の自律
報告4 環境秩序と民法………吉田克己
1 はじめに
2 環境権論争と今後の方向
3 景観利益の法的保護——国立景観訴訟を素材として
4 おわりに
第2部 都市環境法における公私協同
趣旨説明………亘理 格・吉田克己
報告1 まちづくりにおける私法と公法の交錯
——私道の通行をめぐる最近の民事裁判例を手がかりにして………秋山靖浩
1 問題の所在
2 判例のこれまでの到達点と問題点
3 考察の視点
4 第1の視点——民法の土地利用の調整規範に期待される意義
5 第2の視点——民法の土地利用の調整規範における調整のあり方
6 今後の課題
報告2 産業廃棄物規制における公法的手法と私法的手法………北村喜宣
1 環境法における「公法的手法」と「私法的手法」
2 典型的警察規則法としての廃棄物処理法
3 産業廃棄物処理業の特徴と法制度の限界
4 産業廃棄物処理施設の特徴と法制度の限界
5 私法的手法による公法的システムの補完の必要性と困難性
6 私法契約領域の公法的手法の拡大
7 私人の活動の公的システムへの取込み
8 産業廃棄物規制の将来
報告3 公共事業紛争における公法と私法の交錯——都市施設の設置をめぐる訴訟を題材に
………………越智敏裕
1 問題意識
2 場面設定と例示
3 訴訟実務経験から
4 現状に関する若干の検討
5 方向性——公共事業における公私協働
〈討論〉(午後の部)………亘理 格・山本寛英・秋山靖浩・根本尚徳・吉田克己・北村喜宣・
山下竜一・人見 剛・瀬川信久・越智敏裕・藤谷武史
●著者紹介
吉田 克己
1949年1月1日生まれ
1972年 東京大学法学部卒業
現 在 北海道大学大学院法学研究科教授 法学博士(東京大学)
主 著 『現代市民社会と民法学』(著,日本評論社),『フランス住宅法の形成—住宅をめぐる国家・契約・所有権』(著,東京大学出版),『現代の都市法—ドイツ,フランス,イギリス,アメリカ』(編著,東京大学出版会),『効率性と法 損害概念の変容』(編著,有斐閣)など
秋山 靖浩
早稲田大学大学院法務研究科教授
池田 清治
北海道大学大学院法学研究科教授
伊東 研祐
慶應義塾大学大学院法務研究科教授
越智 敏裕
上智大学法学部准教授
北村 喜宣
上智大学法学部教授
瀬川 信久
北海道大学大学院法学研究科教授
曽野 裕夫
北海道大学大学院法学研究科教授
根本 尚徳
北海道大学大学院法学研究科准教授
長谷川 貴陽史
首都大学東京都市教養学部法学系教授
長谷川 晃
北海道大学大学院法学研究科教授
人見 剛
立教大学大学院法務研究科教授
藤谷 武史
北海道大学大学院法学研究科准教授
古矢 旬
東京大学大学院総合文化研究科教授
堀口 健夫
北海道大学大学院法学研究科准教授
水野 謙
学習院大学法学部教授