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北海道大学出版会 blog
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坂口一成著 判型: A5 上製 頁数: 410 ISBN: 978-4-8329-6714-4 Cコード: C3032 発行日: 2009-09-30 ●本書の特徴 第一回アジア法学会賞受賞(研究奨励賞)受賞。 —なぜ裁判が道具となるのか? この本では、中華人民共和国で1983年に初めて行われた「厳打」と呼ばれる犯罪撲滅キャンペーンを素材とする。「厳打」とは、「法により重く速く」犯罪者に厳しく打撃を加えることとされている。実際、厳打期間中には、警察等が大量の被疑者を一斉検挙し、通常よりも迅速に起訴し、裁判においてはそれ以前と比べてより速く手続が進められ、またより重い刑罰が科される。 本書では、豊富な一次資料の渉猟により、厳打の実際、そこでの裁判の実際のあり方を析出し、これまで抽象的一般的に語られるにすぎなかった刑事司法の実際を、具体的・実証的に描き出した。そして、それと日本や西洋近代法モデルとの比較を通じて、中国の裁判の特徴、およびそうした特徴を決定づける要因を浮き彫りにする。 ●目次 はしがき 凡 例 1.はじめに 1.1 問題意識および課題 1.2 先行研究の検討 1.3 本書の構成と視座 1.4 本書の意義 1.5 基本概念の整理 I 裁判の実像——厳打を素材に 2.厳打前夜の治安状況と犯罪対策——「重く速く」の登場 2.1 刑事司法システムの再建 2.2 全国都市治安会議(1979年) 2.3 5大都市治安座談会(1981年) 2.4 章結 3.83年厳打 3.1 決定と展開 3.2 法整備 3.3 刑事司法の実際——裁判のあり方を中心に 3.4 学界の評価 3.5 中間考察——83年厳打における裁判とは何か 4.その後の厳打の展開 4.1 厳打の日常化 4.2 96年厳打 4.3 01年厳打 4.4 裁判の実像 II なぜ裁判が権力の道具となるのか? 5.裁判統制システム 5.1 裁判官の人物像 5.2 裁判統制制度 5.3 統制の潤滑油——裁判官の身分の不保障と責任 5.4 政府と裁判所の関係 5.5 システムの全体像 6.裁判観 6.1 法の立場——任務規定の検討 6.2 権力の裁判観 6.3 厳打の賛否をめぐる論争概観——論争の前提となる裁判観 6.4 裁判観の析出——日中比較を切り口に 7.裁判をめぐる政治と法 7.1 総 括 7.2 党の支配の正統性から 7.3 法の本質から 7.4 残された課題 あとがき 索 引 ●著者紹介 坂口 一成 2005年 北海道大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学 2005年〜2008年 日本学術振興会特別研究員 2006年 博士(法学)を取得(北海道大学) 現在 北海道大学大学院法学研究科助教
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