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北海道大学出版会 blog
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山口 裕文・金子 務・大形 徹・大野 朋子編著 判型: A5 上製 頁数: 798 ISBN: 978-4-8329-6820-2 Cコード: C3020 発行日: 2016-06-25 ●本書の特徴 中尾佐助の位置づけを現在の視座から行う。 照葉樹林帯のコアである植物学、森林生態学、資源植物学などをはじめとして、それらを包む文化的側面—民族学、中国思想史、宗教学、科学史、地理学などにいたる多彩さと猥雑さを通して照葉樹林文化の本質を論考。 ●目次 はじめ 第I部 中尾佐助の探検紀行 第1章 フィールド学者中尾佐助の辿った探検の路──いくつかの海外調査から………山口裕文 中国で攪乱された照葉樹林を見る / 根栽農耕文化とオーストロネシア花卉文化センタ ーへの旅 / ヒマラヤの探検 / アフリカの探検(1968年) / フィールド調査とは 第2章 熱帯、湿潤熱帯林………岡田 博 湿潤熱帯林の特徴 / 森林破壊の現状 / 熱帯原生林の保護 第3章 中尾佐助のインド探検………河瀨眞琴 カラコラム1955年 / インド1981年 第4章 中尾佐助のアフリカ探検と現在のアフリカ農業について………伊藤一幸 アフリカ探検 / 多様な食用植物(作物)と料理 / 熱帯の農業と雑草 / 猛威を振るう根 寄生雑草 Striga 第5章 花と樹──中尾佐助スライドデータベースからバラについて………上田善弘 スライドに見られるバラ / 日本と中国における花の改良の違い /庭木としてのバラ 第6章 中尾佐助スライドデータベースにみる家畜と伴侶動物………森元真理 ウシ / ヤク / ウシ交雑種 / ヤギ / ブタ / ウマ / ロバ / イヌ /植物だけでなかった 中尾佐助の興味 第II部 照葉樹林帯周辺の生物的自然 第7章 東アジア温帯林構成植物の歴史生物地理………阪口翔太 日華植物区系とは何か / 系統地理学が明らかにした日華植物区系型分布植物の系統分 化 / 日華森林亜区内における陸橋の形成と植物の分化 / 東シナ海周辺における落葉広 葉樹林要素の歴史 / 琉球列島を中心とした常緑広葉樹林要素の歴史 第8章 日本人の歴史と草原の変遷………副島顕子 満鮮要素と日本の草原 / 先史時代の日本における草原の分布と変遷 / 近世から現代へ 第9章 照葉樹林文化と木の葉の博物誌………山口 聰 照葉樹林文化とは / 照葉樹林での人々の暮らしと「木菜」 / 木の葉、新芽を食物資源 として利用する文化 /照葉樹と常緑樹 / 五 チャ、そのほかのツバキ属植物に見られる リーフフェノロジー 第10章 帰化植物アサガオ類のつくる自然への功罪………保田謙太郎 帰化アサガオ類とは / 帰化アサガオ類の日本への侵入 / 帰化アサガオ類の大豆畑への 侵入と定着 / 照葉樹林帯の雑草群落への帰化アサガオ類の拡散と影響 / 照葉樹林帯の 雑草群落で拡散する帰化アサガオ類の生態的特徴 / 雑草群落の帰化アサガオと人間と の関係 コラム(1) 日本の生態系に根付く訪問者、外来生物達──セイヨウミヤコグサを例に ………………三村真紀子 日本に生息するミヤコグサ属 / 日本の草地に咲く在来種ミヤコグサ / セイヨウミヤ コグサの侵略 第III部 森と林と住まいにおける自然倫理 第11章 仏典・聖書における「聖樹」の東西受容 ──仏教・キリスト教文化圏と東アジア照葉樹林文化の日本………金子 務 照葉樹林文化圏と硬葉樹林文化圏と / 仏陀説話にまつわる聖樹と受容 / 聖書植物と東 アジアの異種体験 / 学会でも混乱を重ねた植物命名法 第12章 『荘子』に見える植物──扶揺、冥霊、大椿、大瓠、樗、櫟をめぐって………大形 徹 はじめに / 『荘子』に見える扶揺(扶桑) / 冥霊と大椿 / 大瓠 / 樗 / 櫟社 / おわりに 第13章 宋以前の文人からみた南方植物とその文化………久保輝幸 漢字と植物 / 先秦(〜前206年) / 秦漢(紀元前206〜220年) / 魏晋南北朝(220 〜581年) / 隋唐代および五代十国581〜960年) / 宋代(960〜1279年) 第14章 住まいの植栽、その選択と配置による吉凶──明代の『営造宅経』を通して ………………水野杏紀・平木康平 中庭の植栽について / エンジュの植栽について / バショウの植栽について / ヤナギ (シダレヤナギ)の植栽について 第IV部 照葉樹林帯の里山・里海・里畑 第15章 造園樹木の「無用の用」………前中久行 造園と園芸 / 造園の対象空間 / 庭園空間の特質 / 場の特性と植物の整合性 第16章 紀伊大島のイノシシとアオノクマタケラン──排他的関係性をめぐって………梅本信也 紀伊大島西部におけるイノシシの出現 / 道路を介したイノシシ行動圏の拡大 / 草地植 生での被害拡大 / イノシシの攪乱による栽培的効果 / イノシシが示すアオノクマタケ ランの忌避可能性 / アオノクマタケラン茎葉によるイノシシ忌避実験 第17章 日本の照葉樹林帯における巨木文化──歴史的にみた巨木の“癒し”………児島恭子 巨木の“癒し”とは / 歴史上の巨木 / 巨木とモリの関係 / 日本の照葉樹林文化としての 巨樹の文化 第18章 中国福建省のクスノキの巨木………鈴木貢次郎・亀山慶晃・李 景秀 中尾佐助の巨木論 / クスノキ / 福建省で見たクスノキの巨木 / 日本のクスノキの巨木 / クスノキの巨木と社会背景 第V部 照葉樹林帯における花卉園芸文化をめぐって 第19章 照葉樹林文化が育んだ花をめぐる人と植物の関係  ──東アジア原産花卉の栽培化と野生化そして拡散………山口裕文 植物の鑑賞と園芸植物 / 栽培化と野生化 / 東洋花卉文化の観賞植物 第20章 江戸の園芸文化における桜草と花菖蒲………大澤 良 古典園芸植物 / サクラソウ / ハナショウブ 第21章 艶やかなつるバラの世界………上田善弘 現代バラに果たしたアジア起源のバラの役割 / つるバラの野生種 / つるバラの改良史 / そのほかのつるバラ / つるバラの魅力 第22章 中国雲南省のトウツバキとその保全………中田政司・管 開雲・王 仲朗 トウツバキの植物文化 / トウツバキ古樹の調査 / 野生トウツバキ林の調査 / 野生トウ ツバキの花の多様性とその要因 第23章 斑入り園芸植物からの野生化………植村修二 斑入りとは / 斑入り植物の野生化 / 斑入りアオキの野生化 第VI部 照葉樹林帯におけるヒトと植物との多様なかかわり 第24章 納豆餅と雑煮………中村 治 納豆の歴史 / 納豆餅 / 味つけについて / 正月に納豆餅を雑煮代わりに食べるという 食べ方が意味するもの コラム(2) ブータンの小粒小豆セームフチュン………山口裕文 第25章 中国古代の香──降神と辟邪の観点から………木﨑香織 香の字と祭祀 / 香煙と祭祀 / 香煙と昇仙 / 香と徳の伝達 / 魂を呼びもどす香 / 副葬 品としての薫炉・香炉・博山炉 / 香と降神・辟邪 第26章 「掛け香」になった生薬「訶梨勒」………林 みどり 「訶梨勒」について / 掛け香としての訶梨勒 / 吊るす形の香の種類 / 訶梨勒の渡来 薬物として奉納された訶梨勒 / 中国における文献 / 日本における文献 コラム(3) 工芸茶という文化………山本悦律子 食べる茶から飲む茶へ / 工芸茶 第27章 東南アジアの少数民族における竹づくりの魔除け「鬼の目」の多様性………大野朋子 祭祀植物 / 竹の呪具「鬼の目」 / 第28章 ボゴールのタラスとサトイモ料理 根栽農耕文化の今………宮浦理恵 サトイモの地理的分化 / ボゴールのタラス / タラスの調理法 引用参考文献 / 図表写真出典一覧 / 付録フィールド画像集/ 収録スライド表 / 索引 ●著者紹介 山口 裕文 大阪府立大学名誉教授,植物文化多様性学 農学博士 金子 務 大阪府立大学名誉教授,科学思想史・科学社会学 大形 徹 大阪府立大学人間社会システム科学研究科教授,中国哲学 大野 朋子 神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授,緑地環境学 博士(農学)
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