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北原 次郎太著 判型: B5 上製 頁数: 360 ISBN: 978-4-8329-6790-8 Cコード: C3039 発行日: 2014-02-28 ●本書の特徴 アイヌ民族の祭具であるイナウ(木幣)について多角的に研究した専門書。1900年代〜1960年代にかけて製作・収集されたイナウの実物資料・記録類を踏査し、アイヌの宗教文化をモノの面から描き出す。また、本州やサハリン・アムールの北方民族、ボルネオ島の諸民族が持つ削りかけ文化と形状・技術・用途についての比較を行い、アイヌ文化史を再考する。 ●目次 はじめに 地 図 第1章 総 論 1.精神文化とイナウの関わり 1-1.世界観 1-2.イナウについて 2.先行研究・資料の概要 2-1.近代以前の研究 2-2.近代以降の研究 3.課題と研究方法 3-1.先行研究の課題 3-2.研究の方法と意義 第2章 イナウに用いる樹種・用い方 1.樹種の選択 1-1.祭具のイナウ 1-2.守護神のイナウ 2.樹木に対する認識 2-1.性 別 2-2.木の上(梢)と下(根) 小 括 第3章 イナウの製作技術 はじめに 1.アイヌが使用する工具と作業姿勢 1-1.樺太の事例 1-2.北海道の事例 2.加工上のポイント 2-1.木取り 2-2.切断面 2-3.削りかけの状態 2-4.削りかけの二次加工 3.製作工程の復元 3-1.石狩市浜益区 山下三五郎 3-2.美幌町 菊地儀之助 4.本州各地の工具と作業姿勢 4-1.ハナカキナタ 4-2.小 刀 4-3.鎌 4-4.セ ン 4-5.鉈 4-6.不 明 5.ボルネオ島諸民族の工具と作業姿勢 5-1.ムル村(ブラワン民族) 5-2.ムル村プナン居住区(プナン民族) 5-3.ロング・パナヤ村(カヤン民族) 5-4.バラン地区・キプット村(キプット民族) 5-5.ドック・アナック・キアイ村(イバン民族) 小 括 第4章 イナウのかたち──構成要素の事例 はじめに 1.構成要素 1-1.主軸部 1-2.削りかけ 1-3.要素の構成(配列)法 2.各地の事例 2-1.鵜城の事例 2-2.来知志の事例 2-3.多蘭泊の事例 2-4.新問の事例 2-5.白浜の事例 2-6.余市町の事例 2-7.石狩市の事例 2-8.石狩市浜益区の事例 2-9.新十津川町の事例 2-10.八雲町の事例 2-11.長万部町の事例 2-12.平取町二風谷の事例 2-13.浦河町荻伏の事例 2-14.芽室町(毛根)の事例 2-15.帯広市伏古の事例 2-16.音更町の事例 2-17.白糠町の事例 2-18.釧路市(徹別,幣舞)の事例 2-19.標茶町塘路の事例 2-20.美幌町の事例 2-21.斜里町の事例 2-22.エトロフ島の事例 2-23.シムシュ島(シコタン島)の事例 構成要素の分布から見るイナウの地域性 第5章 シトゥイナウの分布と歴史的変遷 はじめに 1.先行研究 1-1.河野広道 1-2.N.G.マンロー 1-3.知里眞志保 1-4.更科源蔵 1-5.藤村久和 2.各地の事例 2-1.八雲町 2-2.長万部町 2-3.石狩市浜益区 2-4.新十津川町 2-5.旭川市 2-6.網走市 2-7.美幌町 2-8.弟子屈町屈斜路 2-9.阿寒町徹別(釧路市春採) 2-10.釧路市(鶴居村) 2-11.白糠町和天別 2-12.白糠町石炭岬 2-13.足寄町 2-14.芽室町 2-15.様似町 2-16.浦河町荻伏 2-17.新ひだか町東静内 2-18.平取町紫雲古津 2-19.平取町二風谷 2-20.白老町 2-21.虻田町 3.考 察 3-1.分布から見えること 3-2.外皮対生短翅 3-3.発生の時期 4.小 括 第6章 刻印と人面意匠 はじめに 1.先行研究 2.イナウに見られる刻印 2-1.北海道のイナウ 2-2.樺太のイナウ 3.刻印・人面に関わる他の事例 3-1.ウイルタ・ニヴフのイナウ 3-2.冬季住居の柱の例 3-3.木製守護神の例 4.本州の事例 4-1.サンクロウ 4-2.オホンダレ様 5.小 括 第7章 火神と家屋神・家族神 1.はじめに 2.家族神・家屋神の事例 2-1.樺太西海岸 2-2.樺太東海岸 3.北海道の事例 3-1.北海道中央部 3-2.北海道南西部 3-3.北海道東北部 小 括 4.火神の祭壇の事例 4-1.北海道中央部 4-2.北海道西南部(渡島・胆振・日高) 4-3.北海道東北部 小 括 終 章 イナウの歴史へ──かたち・はたらきの変遷を考える おわりに 1.イナウ文化史の試み 2.融合と分離 むすび 図版編 資料編 文献抜書き 参考文献 おわりに (日本国内)イナウ関連主要資料一覧 ●著者紹介 北原 次郎太 1976年東京都生まれ。北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授。千葉大学博士課程修了(学術博士)。2005年よりアイヌ民族博物館学芸課勤務。2010年4月より現職。アイヌの宗教文化と物質文化,とりわけイナウについての研究を専門とするほか,アイヌ語,口承文芸,芸能などの研究に携わる。
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