商品説明
アイヌ絵を聴く ー 変容の民族音楽誌
谷本一之 著
定価:17,600円(本体価格16,000円+税)
判型:B5 上製
頁数:394
ISBN:978-4-8329-6101-2
Cコード:C3073
発行日:2000-06-10
●本書の特徴
江戸・幕末の北辺関係史料に見られるアイヌの芸能(音学や舞踊)に関する図像や文書記録を,アイヌの人々が伝承してきている現代の音声・映像資料と対応させて,アイヌの芸能の時間的変化の過程を検証する.北方諸民族の芸能との比較に基づき,アイヌ文化の変容を具体的に分析・解明,現代に伝承されるアイヌ文化の座標軸を定めることをめざした「アイヌ芸能資料集」.収録図版300枚,付録としてアイヌ民族音楽のCDを添付.
第54回毎日出版文化賞受賞.
●目次
はじめに
第一章 蝦夷地(アイヌモシリ)の正月:アイヌと和人(シサム)
年中行事:暮の餅搗き
踊り歌
正月の宴
動物踊り
無礼講
和人(シサム)はいかに聴いたか
第二章 鶴の踊り(サロルンリムセ):オムシャ・礼式の舞
鶴の舞
オムシャでの踊り
ウイマム:藩公への踊り
タプカル:長老の踊り
ウエタプカル
自分の歌
蝦夷女の踊り
巡見使の饗応
防人の概観
アイヌ神楽
鶴は千年、亀は万年:意識の和風化
「新オムシャ」:新しい殿(カムイトノ)
第三章 熊送り(イオマンテ)の歌:アイヌ風(プリ)の保持
儀礼の芸能化
熊送りの儀礼:動物の神
イナウと酒と踊り歌
熊神の降臨
奉納のあそび
ウンメムケ:魂の旅立ち
歌の合戦:北海道と樺太
ポロオメカップ
樺太の熊送り
八人の踊り
男の歌と女の歌
ウコウク:祭りの空間
蝦夷浄瑠璃(ユカラ)
ユカラを謡る
擬声:神の名乗り
神の仕草
歌の入った物語
第四章 叙情歌(ヤイシャマ):日々の想い
新俗謡
七五調の影
追分名人のアイヌ
ヤイシャマ:シャモ風(プリ)の歌
舟歌:漁場の生活
呪文の舟歌
呪文の仕事歌
日露確執のなかで
請負場所の賑い
第五章 アイヌの五弦琴(トンコリ):蝦夷錦の道
蝦夷琴(トンコリ)
「裔琴図式」
淵源・分布
太鼓(カチョ):巫者(トゥスクル)の祭具
樺太から北海道へ
調弦法
口琴(ムックリ)
曲名:サウンドスケープ
木を叩く:魂を呼ぶ、送る
レクッカラ:喉声の力
おわりに
「和・愛折衷」
巫術の実際
記録の分布
変化の過程
あとがき
主要事項索引
収録図版出典一覧
summary
付録CD解説
付録CD:アイヌ音楽録音
●著者紹介
谷本 一之(たにもと かずゆき)
1932年 北海道美唄市に生れる
1958年 北海道大学大学院教育学研究科修了
1976年 北海道教育大学教授
1989年 北海道教育大学長
1995年 北海道立アイヌ民族文化研究センター所長
2003年 (財)アイヌ文化振興・研究推進機構理事長
北海道立北方民族博物館長、現在に至る
専攻:民族音楽学。アイヌを含む「北方諸民族芸能の比較研究」をテーマに広範な地域の現地調査を行っている
【著書・論文】
『アイヌ伝統音楽』〈共著〉(日本放送出版協会、1965年)
「音楽表現と共同体意識」(『日本の音楽・アジアの音楽』岩波書店、1989年、所収)
1997年第8回小泉文夫音楽賞受賞
2000年本書により、第54回毎日出版文化賞受賞
2001年東洋音楽学会・田辺尚雄賞受賞
(第2刷〈2004-04-25〉刊行時の情報です)