商品説明
サージ・ダーン著/本間研一訳
判型: B5変 上製
頁数: 328
ISBN: 978-4-8329-8234-5
Cコード: C3023
発行日: 2019-12-25
●本書の特徴
時間生物学の創始者の一人であり、ヒト体内時計の発見者であるユルゲン・アショフの伝記を、 長年の共同研究者である著者が記したものである。内容は時間生物学の歴史そのものであり、 アショフらが展開してきた研究のレビューでもある。体内時計、睡眠研究に関する必読の書。 ※原著情報 Serge Daan Die Innere Uhr Des Menschen Jurgen Aschoff (1913-1998),Wissenschaftler in Einem Bewegten Jahrhundert. Germany : Reichert Verlag, 2017
●目次
序
1章 系譜──啓蒙と医学の150 年(1740-1913)
ヘニングス家の系譜
母クララ・ディートリックス
ビーレフェルドのアショフ家
枢密院顧問ルードウィヒ・アショフ教授
2章 フライブルグの幼少期、ボンの学生時代(1913-1939)
学部は何と言うだろうか
大戦
学校と教育
エッシェンホフの動向
有名な父親
高等学校時代
前臨床医学
学生団体アレマニア
父、息子そして国家社会主義
国防軍の二等兵
博士号研究:再びフライブルグ
3章 氷水の中の手──戦時の研究と愛(1939-1945)
ゲッチンゲン
ポーランド出征
氷水の中の手
ヒルデ・ユング
政治
教授資格試験
ブラネンブルグ・アム・イン
4章 代理人──ゲッチンゲン、ヴィルツブルグ、ハイデルベルグ(1945-1958)
解放
ゲッチンゲン大学新聞
脱ナチ化
ヴィルツブルグ:代理主任
ヘルマン・ライン
研究への復帰
ハイデルベルグの代理人
アショフ家
自立への道
5章 生物時計──前史(—1960)
葉の運動
動物実験:活動と休息
生きている時計
リズム研究の萌芽
生物時計
コールド・スプリング・ハーバー
6章 エーリング・アンデックス──科学の砦(1960-1971)
そしてまた総てが全く変わってしまった
エーリングの伯爵
彼の体内時計
おもしろい研究
学識
会議と旅行
客のもてなし
7章 地下壕実験室(1964-1989)
計画と建築
実験
内的脱同調
アショフとヴェーファー
他の人々
8章 超有名人(1971-1981)
立ち机の研究
非重要人物(VUP)のための歓迎会
リズムと温熱収支
医学と生活のリズム
所長
マックス・プランク革命
招待、表彰
友人
再びリーダーとして:リングベルグとハンドブック
定年退職
9章 2人の法王──友情と競争(1958-1996)
コリン・ステフェンソン・ピッテンドリック
友情と競争
書簡と書籍
遍歴の遊牧民
受賞候補指名と受賞
コリンの晩年
10章 帰郷──フライブルグの引退生活(1981-1997)
なおも進む研究
行動科学研究所の終焉
日本との関係
ヒルデの死
11章 ノートバイラの墓標(1997-1998)
悲嘆と悔恨
葬送の行進
遺産と評価
補足
ユルゲン・アショフの栄誉
アショフ・ホンマ賞(受賞者一覧)
アショフ・ルーラー(受賞者一覧)
SRBR 学術集会におけるピッテンドリック・アショフ講演
謝辞
注釈
引用文献
訳者注
訳者あとがき
ドイツ全図
●著者紹介
サージ・ダーン
1940−2018
オランダ王国ムック生まれ。アムステルダムで研究を始め、冬眠のテーマで学位を取得する。その後4年間、博士研究員としてユルゲン・アショフとコリン・ピッテンドリックのもとで近代的な時間生物学の基礎を学ぶ。2人のメンターとのアンデックス(バイエルン)のマックス・プランク行動生理学研究所、及びカリフォルニアのスタンフォード大学での出会いは、その後の科学的経歴に大きな影響を与え、生涯にわたる共同研究と親交に導いた。1975年から退職する2009年まで、彼はグローニンゲン大学の教授(行動生理学のニコー・ティンベルゲン主席)として研究と教育に従事し、最後は数理自然科学部の学部長として大学の管理運営に携わった。2006年、国際生物学賞受賞。
本間 研一
1946〜
札幌出身。北海道大学医学部卒業。大学入学直後に、父慶蔵との関係でユルゲン・アショフと出会う。彼の「体内時計の内的脱同調」の講演に感激し、生涯の研究テーマとなる。1973年初めてアンデックスのアショフを訪れ、1979年にマックス・プランク行動生理学研究所でリズム研究に従事する。帰国後、日本で初めて人を対象としたフリーラン実験を行う(1984年)。1984年から「生物リズムに関する札幌シンポジウム」を隔年で開催、2003年には第1回時間生物学世界大会を札幌で主催する。1992年に北大医学部生理学講座の教授となり、多くのリズム研究者を育成する。2010年定年退職し、現在はアショフ・ホンマ記念財団理事長。著書に「生体リズムの研究」(北海道大学図書刊行会)などがある。