商品説明
山寺 美紀子著
判型: A5 上製
頁数: 518
ISBN: 978-4-8329-6762-5
Cコード: C3021
発行日: 2012-02-29
●本書の特徴
本書は現存する世界最古の「琴(きん)」の文字譜を音楽文献史学の観点から総合的に研究したものである。『碣石調幽蘭第五』の来歴と伝存過程、荻生徂徠による『幽蘭』研究の詳細の解明、現存最古の琴の指法書の再発見など、新知見を含む、本邦初の研究書である。
●目次
はじめに
(一)研究の背景・研究の目的と方法について
(二)「琴【きん】」について
第一章 『幽蘭』の内容と来歴
第一節 『幽蘭』の内容について
第二節 日本における伝存の軌跡
第三節 中国への伝入と『幽蘭』研究史
第二章 荻生徂徠による『幽蘭』研究の実態
第一節 荻生徂徠編著『幽蘭譜 附琴左右手法・琴手法図・調琴法』
第二節 荻生徂徠著『幽蘭譜抄』
第三節 物観(荻生北渓)校正『幽蘭譜』
第三章 『幽蘭』と共に伝わった琴の指法書『琴用指法』
第一節 彦根城博物館所蔵『琴用指法』の来歴
第二節 彦根城博物館所蔵『琴用指法』の概要とその原典
第三節 彦根城博物館所蔵『琴用指法』収載文字譜指法書の解釈
第四章 『幽蘭』の解読
第一節 文字譜の解釈と現代語訳
第二節 『幽蘭』に用いられる指法について
第三節 調弦法について
むすび
引用・参考文献表
附録一 翻刻『碣石調幽蘭第五』(東京国立博物館所蔵)
附録二 翻刻『琴用指法』(彦根城博物館所蔵)
附録三 翻刻 荻生徂徠著『幽蘭譜抄』(荻生家所蔵、荻生徂徠自筆稿本)
あとがき
索 引
●著者紹介
山寺 美紀子
お茶の水女子大学文教育学部外国文学科中国語学中国文学専攻卒業。2010年,同大学大学院人間文化研究科博士後期課程比較社会文化学専攻修了。1997〜98,2002〜03年,上海音楽学院留学。博士(人文科学)。現在,お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科研究院研究員,國學院大學北海道短期大学部兼任講師。