商品説明
川口琢司著
判型: A5 上製
頁数: 412
ISBN: 978-4-8329-6676-5
Cコード: C3022
発行日: 2007-04-25
●本書の特徴
テュルク系支配層につき①ティムールの後継問題とシャールフ政権成立のダイナミズム、②宮廷史家によるテュルク・モンゴル伝承とモンゴル帝国史の創造、③部族・グラーム出身のアミールと政権の本質・動態とのかかわりを解明。政権の質的変化や政権交代のダイナミズムを描き出す。
●目次
序
1.ティムール帝国の時代
2.研究の視座と展開
第1部 ティムール帝国とチンギス・ハン家
第1章 ハン制度の成立と展開
はじめに
1.チャガタイ・ウルスにおけるアミールとハン
2.ティムールとハンたち
3.ティムール以後のハン制度
おわりに
第2章 ティムール帝国の対チンギス・ハン家婚姻政策
はじめに
1.チャガタイ・アミールたち
2.ティムールの時代
3.シャールフとウルグ・ベグの時代
4.アブー・サイードの時代
5.サマルカンド政権
6.ヘラート政権
おわりに
第2部 ティムールの後継者問題
第3章 ティムールの後継指名とシャールフ政権の成立
はじめに
1.ジャハーンギールの息子たち
2.アミーラーンシャーの反乱
3.ピール・ムハンマドの後継指名まで
4.ハリール・スルターンとソユン・ベグ
5.ティムール死後の内乱とシャールフ政権の成立
おわりに
第4章 ファールス総督イスカンダルの反乱をめぐって
はじめに
1.先行研究とオバン本
2.イスカンダルの無名氏の史書
3.『ムイーン史選』
4.トプカプ宮殿博物館附属図書館蔵アルバムB.411中の一史料
おわりに
第3部 テュルク・モンゴルの法制と祖先伝承
第5章 ティムールとヤサ
はじめに
1.ヤサとトレ
2.ティムールからみたヤサとシャリーア
3.ヨスンとヤサの復興
4.治世初期のヤサとシャリーアの運用
5.治世後半におけるヤサの運用
6.ティムールの死の影響
おわりに
第6章 テュルク・モンゴル伝承と四ウルス叙述法
はじめに
1.シャラフッディーン・アリー・ヤズディーの史書
2.「序章」についての先行研究
3.「序章」に見えるテュルク・モンゴル伝承
4.四ウルス叙述法の成立
5.史書『四ウルス』とウルグ・ベグ
おわりに
第4部 ティムール帝国の部族とアミール
第7章 ティムール帝国のテュルク・モンゴル諸部族に関する新史料
はじめに
1.ハーフェズ・アブルーの史書『歴史集成』
2.テュルク・モンゴル諸部族誌の記述
3.テュルク・モンゴル諸部族誌の検討
おわりに
第8章 部族出身のアミールとその諸活動
はじめに
1.タージュッサルマーニーの史書『美の太陽』
2.シャーマリクの地位と諸活動
おわりに
第9章 ティムール帝国のグラームとグラーム出身のアミール
はじめに
1.ティムールとグラーム
2.ハリール・スルターン政権
3.サイード・ホージャの反乱
おわりに
結 語
参考文献一覧
あとがき
人名索引
地名索引
書名索引
事項索引
図表目次
●著者紹介
川口 琢司
1959年 北海道に生まれる
1982年 北海道大学文学部史学科卒業
1993年 北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学
1995〜1997年 財団法人東洋文庫奨励研究員
現在 北海学園大学・札幌国際大学・藤女子大学・北海道武蔵女子短期大学非常勤講師
博士(文学)
■主要論著
『岩波講座世界歴史11—中央ユーラシアの統合—』(共著、岩波書店、1997年)
『中央アジアを知るための60章』(共著、明石書店、2003年)
「Tīmūrとチャガタイ・アミール達」『東洋学報』69巻3・4号、1988年
“Timurlular Devrinde Şah Ruh Iktidarına Karşı Bir Emir İsyanı”, Annals of Japan Association for Middle East Studies, No.8, 1993.