商品説明
鈴江英一著
判型: A5 上製
頁数: 634
ISBN: 978-4-8329-6261-3
Cコード: C3020
発行日: 2002-02-28
●本書の特徴
わが国では形成途上にある文書館学・史料管理学のこれまでの論議を整理し,文書館論,評価選別論,史料整理論について実践的裏付けをもって提示. 史料認識論と史料管理論が錯綜して論じられてきた史料論についても理論的に整序,史料論が史料認識論であるべきことを主張する.
●目次
はしがき
序 章 史料管理論の課題と方法
第一編 現代日本の文書館状況
第1章 史料保存体制としての文書館の機能について
第1節 課題の設定
第2節 文書館理解の軌跡
第3節 文書館論の状況
第4節 まとめにかえて
第2章 公立文書館の方向と課題——公文書館法成立10年の年に
第1節 はじめに
第2節 公文書館法から10年
第3節 マイケル・ローパー勧告の視点
第4節 公立文書館の状況と課題
第5節 おわりに
第3章 地方文書館における業務の構築について
——都道府県立文書館設置条例等の規定を中心とした考察
第1節 はじめに
第2節 文書館業務についての諸論議
第3節 都道府県立文書館の状況
第4節 文書館における業務の検討——北海道立文書館の場合
第5節 おわりに
第4章 文書館の業務と公文書館法——秋田公文書館の場合
第1節 はじめに
第2節 公文書館法における公文書館の業務
第3節 秋田県公文書館条例と所掌事務の規定
第4節 おわりに
第二編 史料の引継移管と評価選別
第5章 わが国の文書館における公文書の引継移管手続と収集基準について
第1節 本章の意図と範囲
第2節 引継移管方法について
第3節 収集基準の構成と適用について
第4節 今後の課題
第6章 評価選別論の検討と選別の試み
第1節 はじめに——現代史料保存への課題
第2節 評価選別論の状況
第3節 評価選別の実際
第4節 まとめにかえて——評価選別論への小考
第三編 史料整理論の検討
第7章 近現代史料整理論の状況
第1節 本章の意図
第2節 近現代史料整理論の提起
第3節 近現代史料整理論の体系化
第4節 まとめ——近現代史料整理論の課題
第8章 市町村役場文書における目録記述の試み
第1節 本章の課題
第2節 目録編成・記述論の課題
第3節 目録記述の検討
第4節 目録作成の経過と目録編成の諸問題
第5節 記述事項の諸問題
第6節 おわりに
第9章 史料整理論の再考
第1節 本章の意図
第2節 史料整理論の性格
第3節 史料管理の状況
第4節 史料の構造理解と目録表現
第四編 近現代史料の史料認識
第10章 近現代史料論の形成と課題
第1節 問題の所在
第2節 近現代史料論の提起と古文書学
第3節 近現代史料論の拡張と交叉
第4節 近現代史料論の方向——まとめとして
第11章 北海道庁所蔵第一文庫系簿書の紹介と考察
第1節 はじめに
第2節 簿書の来歴と概要
第3節 簿書における文書の事例
第4節 簿書の特質について
第5節 あとがき
第12章 近代初頭、北海道における法令の施行——開拓使文書の体系的把握のために
第1節 はじめに
第2節 諸省法令の施行と地方官の「恣意」
第3節 開拓使による法令の「取捨」施行
第4節 「簿書」の史料学的把握の枠組について
第13章 「町村制」における文書管理の性格——近現代史料論としての考察
第1節 本章の課題
第2節 近現代史料についての論点
第3節 「町村制」発足期の文書管理
第4節 まとめ——近現代史料論と史料管理論の接点
終 章 史料管理論、史料認識論の展望
主要参考文献目録
あとがき
summary
索引
●著者紹介
鈴江 英一
1939年 札幌市に生まれる
1959年 北海道総務部に勤務
1968年 慶應義塾大学文学部卒業
1985年 北海道立文書館に勤務
1993年 国文学研究資料館史料館に勤務
現在 国文学研究資料館史料教授、博士(文学)、古文書学会理事
■主著
『松前町史』史料編第1‐4巻、通説編第1巻上・下(共編、松前町、1974‐88年)
『北海道町村制度史の研究』(北海道大学図書刊行会、1985年)
『札幌とキリスト教』(共編、札幌市教育委員会、1987年)
『開拓使文書を読む』(雄山閣出版、1989年)
『町村制の発足(史料叢書3)』(編集、名著出版、1999年)
『キリスト教解禁以前──切支丹禁制高札撤去の史料論』(岩田書院、2000年)