商品説明
秋月俊幸著
判型: B5 上製
頁数: 470
ISBN: 978-4-8329-6001-5
Cコード: C3025
発行日: 1999-07-25
●本書の特徴
北大図書館北方資料室が世界 に誇る貴重な史料に基づき, ヨーロッパ・ロシア・中国・日本の北方図を詳細に比較検討,その相互関係を明らかにするとともに,地理的探検と地図作製の問題を総合的に叙述.著者長年にわたる研究の成果を集大成した北方地図学史・日本北辺史の決定版!
●目次
まえがき
序 章 日本北辺地図の特徴
1 18世紀中葉の欧州製地図
2 18世紀における日本の北辺地図
第1章 日本における初期の蝦夷地図
1 松前藩の国絵図
2 民間の蝦夷地図
第2章 イェズス会士アンジェリスのエゾ地図
1 欧州における初期の日本地図
2 イェズス会士たちのエゾ報告
第3章 フリースの航海とエゾ地図
1 金銀島の噂
2 フリースの航海
3 フリースのエゾ地図
第4章 ロシア人の千島地図
1 カムチャツカ半島の発見
2 コズイレフスキーの千島遠征
3 シェスタコーフの千島地図
4 エヴレイノフとルージンの北千島航海
5 ロシア製地図の西欧地図学への影響
第5章 北辺地図の進展と新たな「空白」
1 「島嶼全覧図」にみるサハリン島と沿海地方
2 第一次ベーリング探検隊の結果
3 シュパンベルグ探検隊の日本探索航海
4 第二次ベーリング探検隊と北極海沿岸探検隊
5 「北方探検隊」後のエゾ地図をめぐる論争
第6章 日本における北辺地図の曙
1 ベニョフスキーの航海と地図
2 林子平の「三国通覧図」
3 幕府の蝦夷地探検隊
4 松前藩作製の「松前地図」
第7章 欧州航海者たちの日本北辺探検
1 クック探検隊の北太平洋航海
2 ラクスマン使節の蝦夷地来航
3 ラペルーズ探検隊のタタール海峡航海
4 ブロートンの蝦夷地来航とその影響
5 クルーゼンシュテルンのサハリン沿岸測量
第8章 日本における北辺地図作製の進展
1 近藤重蔵・最上徳内の「蝦夷地絵図」
2 堀田仁助の奥州・蝦夷地沿岸測量
3 伊能忠敬による全国測量事業の始まり
4 高橋次太夫と中村小一郎のカラフト調査
5 19世紀初頭の実測蝦夷地図
6 実用蝦夷地図の成立
第9章 北辺図における未知の探究
1 北辺地理の研究
2 間宮林蔵のカラフト・山丹探検
3 ゴロヴニーンの南千島来航
4 間宮林蔵の「蝦夷地沿海実測図」(伊能・間宮図)
5 シーボルト事件と北辺図
6 ネヴェリスコイのアムール・リマーン調査
第10章 幕末期の蝦夷地図
1 実用蝦夷地図の完成
2 幕末期刊行の蝦夷地図
3 沿岸図・場所図の作製
4 松浦武四郎の蝦夷地図
5 日露雑居時代のカラフト地図
終 章 地図作製の新時代
1 北海道の三角測量の始まり
2 鉱山調査と地質図
3 千島列島の測量
結 語
人名索引
地名索引
事項索引
参考文献
地図・図版一覧
北辺探検・地図年表
Summary
付録地図 間宮林蔵「蝦夷地沿海実測図」(伊能・間宮図)
●著者紹介
秋月 俊幸
1931年 長崎県佐世保市に生まれる
1955年 東京教育大学文学部卒業
1992年 北海道大学附属図書館を定年退職
1995年 北海道大学法学部(講師)を定年退職
専攻:日露関係史・日本北辺地図学史
【主要著編書】
『ロシア人の日本発見』(翻訳、S・ズナメンスキー著、北海道大学図書刊行会、1979)
『北海道関係地図図録目録』(編著、北海道大学附属図書館、1981)
『開拓使外国人関係書簡目録』(編著、北海道大学附属図書館、1983)
『日本北辺関係旧記目録』(編著、北海道大学図書刊行会、1990)
『明治大正期の北海道:写真と目録』(編著、北海道大学図書刊行会、1992)
『北方史史料集成 第5巻』(翻刻・解題、北海道出版企画センター、1994)
『日露関係とサハリン島』(著書、筑摩書房、1994)