商品説明
安藤正人・青山英幸編著
判型: A5 上製
頁数: 608
ISBN: 978-4-8329-5761-9
Cコード: C3020
発行日: 1996-02-25
●本書の特徴
現代記録保存の中核である記録の評価・選別の問題を中心テーマに,日本の古代から近代に至る文書管理の歴史と現状を分析. 欧米の記録史料管理の理論と実態の側面からのアプローチを加え, 今後の文書館のあり方に新たな問題提起をおこなう.文書館員グループによる共同研究の成果.
●目次
まえがき
序 章 本書の課題………安藤正人
第1節 アーカイブズの思想——本書の視点
第2節 記録史料管理の歴史と展望——本書の方法と構成
第I部 記録史料保存の歴史的背景
第1章 古代・中世における文書の管理と保存………松井輝昭
はじめに
第1節 「文書館」的発想の萌芽
第2節 律令制国家の文書行政と文書管理
第3節 王朝国家期の文書管理と「日記の家」
第4節 中世的文書主義と文書管理
第5節 文書の目録作成と収納の「場」
むすびにかえて
第2章 中世東寺における文書の管理と保存………黒川直則
はじめに
第1節 奉行による文書の管理
第2節 西院における文書の管理
第3節 文書の選別
おわりに
第3章 近世における文書の管理と保存………高橋 実
はじめに
第1節 最近の研究成果
第2節 文書の管理と保存の実態
第3節 文書引継ぎと文書認識
第4節 文書の公開制と公開要求
おわりに
第4章 明治期中央行政機関における文書管理制度の成立………渡辺佳子
はじめに
第1節 太政官記録の濫觴
第2節 類聚編纂の時代——組織の構築と規定の整備
第3節 内閣性における文書の管理と保存
第4節 文書保存の目的
おわりに
第5章 明治期地方官における文書管理制度の成立………水野 保
はじめに
第1節 明治10年代までの文書管理
第2節 明治20年代以降の文書管理
おわりに
資料
第6章 日本におけるアーカイブズの認識と「資料館」・「文書館」の設置………青山英幸
はじめに
第1節 第二次世界大戦以前におけるアーカイブズの紹介
第2節 第二次世界大戦後における「史料館」・「文書館」の設置
おわりに
第II部 記録史料保存の現状と課題
第7章 都道府県における文書保存・利用の現状と課題………水口政次
はじめに
第1節 文書保存・利用の現状
第2節 文書保存・利用の問題点
おわりに
資料
第8章 文書・記録の評価と選別………戸島 昭
はじめに
第1節 評価の対象となる文書・記録群
第2節 都道府県立文書館の収蔵資料
第3節 公文書への評価と選別
第4節 私文書への評価と選別
おわりに
資料
第9章 群馬県立文書館における公文書受入れ・公開の現状と課題………小暮隆志
はじめに
第1節 文書管理精度と文書館の文書受入れ
第2節 情報公開制度と文書館の文書公開制度
第3節 現用文書の保管化と中間的保管施設構想に向けて
おわりに
資料
第III部 欧米における記録史料管理の理論と実態
第10章 欧米における記録管理………石原一則
はじめに
第1節 記録管理の定義
第2節 記録管理の萌芽
第3節 記録管理の成立
第4節 記録管理の機能
おわりに
第11章 欧米記録史料学における記録評価選別論の展開………安藤正人
はじめに
第1節 近代的文書館制度の成立と記録の評価選別
第2節 ジェンキンソン理論とイギリスの記録評価選別システム
第3節 アメリカ合衆国における記録評価選別論の展開
第4節 記録評価選別論の新しい波
第5節 記録評価選別論から”アーカイブサイエンス(記録史科学)”へ——まとめにかえて
終 章 現代記録の保存体制構築をめざして………青山英幸
第1節 アーカイブズの基本的視座
第2節 歴史的背景
第3節 公文書の管理と保存おおび利用の現状と課題
第4節 展望——記録資料保存体制の構築に向けて
引用・参照文献一覧
図版出典一覧
あとがき
Summary
主要人名・事項索引
●著者紹介
安藤 正人
国文学研究資料館史料館(国立史料館)助教授
青山 英幸
北海道立文書館文書専門員