商品説明
言語 この希望に満ちたもの ー TAVnet時代を生きる
野間秀樹著
定価:2,970円(本体価格2,700円+税)
判型:四六 並製
頁数:352
ISBN:978-4-8329-3413-9
Cコード:C1080
発行日:2021-07-01
●本書の特徴
ことばのパンデミックを生き抜く
ことばは意味を持たない、それは意味と〈なる〉のである。 真偽さえ不確かな大量高速のことばが飛び交う言語危機のTAVnet(タブネット)時代――〈書かれたことば〉たるテクスト(Text)、〈話されたことば〉たるオーディオ(Audio)、そしてヴィジュアルな映像(Visual)がネット上を瞬時に飛び回る――に、〈話す・聞く・書く・読む〉という日々の言語場を見据えつつ、鮮明に描き出される、ことば、文字、本の力が持つ希望。名著『言語存在論』『ハングルの誕生』の著者がことばの世界の根源から、歩むべき実践のありかたを照らす。
●目次
はじめに
第1章 ことばを最も深いところから考える――言語はいかに実現するか
1-1 言語はいかに在るのか――言語ハ夢デアルノカ
1-2 ことばには〈かたち〉がある――音の〈かたち〉と光の〈かたち〉
1-3 言語の存在様式と表現様式を区別する
第2章 ことばと意味の場を見据える――言語場の劇的な変容への〈構え〉を
2-1 言語は言語場において実現する
2-2 ことばは言語場において、意味となったり、ならなかったりする
2-3 言語場は猛烈に変容している
第3章 世界の半分は言語でできている――ことばのパンデミック
3-1 言語が私たちの生の隅々に襲いかかる
3-2 言語が私たちを造形する――知性も感性もイデオロギーも
3-3 言語が私たちを抑圧する――物象化することばたち
3-4 言語のパンデミック、言語のメルトダウン
第4章 ことばへの総戦略を――内から問う
4-1 〈問い〉が全てを変える――従順な仔羊から羽撃く鳳凰へ
4-2 拡張の言語――同席構造の言語学
4-3 反撃の言語――存在化機能の言語学
4-4 学びの言語――言語道具観との闘い
4-5 対峙の言語――〈話す〉ことを学ぶ
4-5 連帯の言語――言語は教え=学ぶものである
第5章 ことばへの総戦略を――外から問う
5-1 照射の言語――自らを他に照らす
5-2 展開の言語――翻訳という言語場
5-3 共感の言語――多言語と言語間言語を逍遙する
5-4 創造の言語――ことばを〈かたち〉に造るために
終 章 言語 この希望に満ちたもの――やはり、生きるための言語
おわりに
文献一覧
事項索引 / 人名索引 / 図版索引
*装丁・装画・扉の書・本文組版デザイン・図=野間秀樹
●著者紹介
野間 秀樹(ノマ ヒデキ)
言語学者
専門は朝鮮語学、日韓比較対照言語学
東京外国語大学大学院教授、明治学院大学客員教授などを歴任
〈主著〉
『言語存在論』東京大学出版会、2018年.
『ハングルの誕生:音から文字を創る』平凡社(平凡社新書)、2010年.
ほか多数
(本書刊行時の情報です)