商品説明
北海道大学大学院文学研究科研究叢書 22
日本語統語特性論
加藤重広 著
定価:6,600円(本体価格6,000円+税)
判型:A5 上製
頁数:318
ISBN:978-4-8329-6778-6
Cコード:C3081
発行日:2013-03-29
●本書の特徴
日本語は言語としてどのような特性を有しているのか。品詞体系、格助詞の変化、述部構造の境界性、形容詞の特性などを、言語類型論あるいは通言語学的な観点から分析。従来の見解に検証を加えながら、新たな研究成果を活用して分析を加え、独自の新たな知見を提案する。
●目次
第1章 日本語の品詞体系の通言語学的課題
1 はじめに
2 日本語における接続詞
3 日本語における連体詞
4 助動詞に見る機能主義
5 複合助詞の扱い
6 形容動詞という範疇と品詞体系
7 日本語品詞論における機能と形態の位置づけ方
第2章 日本語における昇格と降格
1 日本語における後置詞
2 格助詞の階層と格の昇降
3 昇格と降格を生じさせる構文特性
4 昇格と降格に見る構文特性
第3章 日本語の受動構文
1 昇降機から見る受動文のタイプ
2 動詞と非対称受動文のタイプ
3 迷惑性の解釈
4 まとめ
第4章 日本語における文法化と節減少
1 主要部後置と文法化
2 文法化と単文化
3 連体修飾節を含むタイプの機能単位
4 有派生タイプと一般名詞の文法化
5 連体修飾を含まない文法化のタイプの整理
6 日本語の類型的特性と非節化
7 終わりに
第5章 日本語の述部構造と境界性
1 問題点の整理
2 膠着要素の出現制約
3 述部複合要素の出現制約
4 境界と統合性
5 まとめ
第6章 二重ヲ格制約論
1 本章の目的
2 二重ヲ格制約の意味
3 構造的制約と統語的中和
4 まとめ
第7章 対象格と場所格の連続性
1 「を」の助詞用法
2 格助詞の「を」
3 連続性と派生関係
4 結びに
第8章 基幹格としての「が」の特性
1 助詞の特性と分類
2 構文的特性とガ格
第9章 日本語形容詞の通言語学的考察
1 はじめに
2 動詞型と名詞型のあいさ
3 軽動詞アルの関与
4 形容詞のモダリティと構文
5 まとめと検討すべき問題
参考文献
あとがき
索引
●著者紹介
加藤 重広(カトウ シゲヒロ)
北海道大学大学院文学研究科教授
1964年生。
専門は,言語学(日本語文法論,語用論)。
東京大学文学部言語学科卒,同大学院博士課程(言語学専攻)修了。博士(文学)。
富山大学人文学部講師,同助教授,北海道大学大学院文学研究科准教授を経て現職。
〈主著〉
『日本語修飾構造の語用論的研究』つじ書房,2003年,第23回新村出賞受賞.
『その言い方が人を怒らせる』ちくま新書,2009年.
など
(本書刊行時の情報です)