商品説明
北海道大学大学院文学研究科研究叢書 20
スイスドイツ語 ― 言語構造と社会的地位
熊坂 亮 著
定価:7,700円(本体価格7,000円+税)
判型:A5 上製
頁数:250
ISBN:978-4-8329-6755-7
Cコード:C3084
発行日:2011-08-31
●本書の特徴
スイスドイツ語とはスイスで話されるドイツ語の方言のことをいう。本書では、特にチューリヒ方言について音韻論・統語論の領域において特徴的な現象を綿密に分析すると同時に、スイスドイツ語全体の現状を社会言語学・言語地理学の観点から詳細に提示する。
●目次
第1章 スイスドイツ語研究と本書について
1.1 スイスドイツ語とは
1.2 本書の目的
1.3 スイスドイツ語の表記について
第2章スイスドイツ語の多様性
2.1 導入
2.2 スイスドイツ語の方言系統
2.3 スイスドイツ語の方言区分
2.4 スイスドイツ語チューリヒ方言について
2.5 まとめ
第3章 スイスドイツ語の音韻と表記 I――チューリヒ方言の母音
3.1 導入
3.2 全体的な特徴
3.3 標準ドイツ語には存在しないもの
3.4 標準ドイツ語では非アクセント位置にのみ出現するもの
3.5 標準ドイツ語と共通するもの
3.6 語中と文中の音韻現象:連音
3.7 まとめ
第4章 スイスドイツ語の音韻と表記 II――チューリヒ方言の子音
4.1 導入
4.2 全体的な特徴
4.3 標準ドイツ語には存在しないもの
4.4 標準ドイツ語と部分的に共通するもの
4.5 標準ドイツ語と共通するもの
4.6 語中と文中の音韻現象:同化
4.7 まとめ
第5章 スイスドイツ語の形態とスイス式標準ドイツ語
5.1 導入
5.2 スイスドイツ語の形態的特徴
5.3 スイスドイツ語とスイス式標準ドイツ語の形態的特徴
5.4 まとめ
第6章 スイスドイツ語の語彙とスイス式標準ドイツ語
6.1 導入
6.2 スイス式標準ドイツ語の語彙とスイス語法
6.3 名詞の性
6.4 母音の長短とアクセント
6.5 正書法
6.6 まとめ
第7章 スイスドイツ語の統語現象 I――zum構文
7.1 導入
7.2 zum構文の構造的特徴
7.3 zum構文の意味的特徴
7.4 チューリヒ方言におけるzum構文の位置付け
7.5 zum構文の歴史的発達に関する考察
7.6 まとめ
第8章 スイスドイツ語の統語現象 II――wo関係節
8.1 導入
8.2 wo関係節の形式
8.3 「関係詞」woの統語的性質
8.4 wo関係節の歴史的経緯
8.5 まとめ
第9章 スイスドイツ語の社会的位置付け I――方言使用
9.1 導入
9.2 ドイツ語圏スイスにおける「二言語」の共存
9.3 現代のドイツ語圏スイスにおける方言使用
9.4 まとめ
第10章 スイスドイツ語の社会的位置付け II――方言保護
10.1 導入
10.2 方言の危機
10.3 組織的な方言保護
10.4 方言研究
10.5 公的な方言保護
10.6 まとめ
第11章 スイスドイツ語は「言語」か?
参考文献
あとがき
●著者紹介
熊坂 亮(クマサカ リョウ)
1976年、札幌市生まれ。
北海道大学大学院文学研究科言語文学専攻博士後期課程修了。
2007年度から2010年度まで室蘭工業大学非常勤講師。
現在、北海学園大学准教授。
専門、ドイツ語学。
〈主要論文〉
Zur zum−Konstruktion im Zurichdeutschen『ドイツ文学』第137号、2008年(第49回財団法人ドイツ語学文学振興会奨励賞受賞論文).
(本書刊行時の情報です)