商品説明
北方言語叢考
池上二良 著
定価:5,170円(本体価格4,700円+税)
判型:A5 上製
頁数:298
ISBN:978-4-8329-6481-5
Cコード:C3087
発行日:2004-11-10
●本書の特徴
本書は永らく北海道大学文学部言語学講座教授として教鞭をとりつつ,北方言語研究の第一人者として研究を続けてきた池上二良氏(現北海道大学名誉教授)による北方諸言語にかかわる著述をまとめたものであり,北方諸言語にまたがる概説,アイヌ語や日本語とツングース語の関係などを論じた大小18篇の論文・記事が,あらたな補訂と追記を加えて収められている。
北方諸言語・諸文化の専門家はもとより,広く言語や北方文化に関心をもつ読者にとってもきわめて興味深い内容を含んでいる。とりわけアイヌ語を含む北方諸言語を独自の浩瀚な視点から取りあげ,随所で日本語との関係にも言及している点で類書を見ない。
●目次
まえがき
第1部 北方言語の諸問題
1.北方諸言語に寄せて
2.東北アジアの土着言語とその分布
3.北アジア言語の動詞の構造と格支配:動作対象の表示に関して
4.ツングース語学入門
付録:ツングース語の辞書
5.北方言語の調査
第2部 アルタイ諸語
6.アルタイ語系統論
第3部 アイヌ語との関係
7.アイヌ語の輪郭
8.アイヌ語系統論
9.アイヌ語のイナウの語の由来に関する小考:ウイルタ語のillauの語原にふれて
10.アイヌ語の大陸語的要素
11.19世紀の樺太西部の住民について
第4部 日本語との関係
12.日本語の名詞語根にあらわれる一種の母音交替の由来について
13.北方言語と日本語の古層:日本語とツングース語の関係の探索
14.ことばの上からみた東北アジアと日本
15.日本語・北の言語間の単語借用
●著者紹介
池上 二良(イケガミ ジロウ)
1920年 長野県松本市に生まれる
東京帝国大学文学部言語学科卒業
東京大学大学院特別研究生、群馬大学学芸部助教授、北海道大学文学部教授(言語学講座・大学院文学研究科担当、北方文化研究施設長併任)、札幌大学女子短期大学部教授(文化学科)を経る。
北海道大学大名誉教授
■著書
『ウイルタ語辞典』北海道大学図書刊行会、1997年
『満州語研究』汲古書院、1999年
『ツングース語研究』汲古書院、2001年
『ツングース・満州諸語資料訳解』北海道大学図書刊行会、2002年
(本書刊行時の情報です)