商品説明
北海道大学大学院文学研究科研究叢書 18
陳啓源の詩経学 ― 『毛詩稽古編』の研究
江尻徹誠 著
定価:6,160円(本体価格5,600円+税)
判型:A5 上製
頁数:216
ISBN:978-4-8329-6728-1
Cコード:C3098
発行日:2010-03-31
●本書の特徴
明末清初の学者、陳啓源の主著『毛詩稽古編』は詩経研究の重要文献であるにも関わらず、その研究は閑却されてきた。本書はその成立や編纂の過程、詩経学の特色とその後世に及ぼした影響について、様々な観点から検討を加え解明を試みる。
●目次
序章
1 研究目的
2 先行研究と研究状況
3 研究対象
第1章 陳啓源『毛詩稽古編』成立とその流布
はじめに
1 『毛詩稽古編』完成までの経緯
2 『毛詩稽古編』の流布と字体に関する問題
3 嘉慶刊本以前における『毛詩稽古編』の流布
小結
第2章 『毛詩稽古編』嘉慶刊本の上梓とその影響――費雲『毛詩稽古編附』の意味するもの
はじめに
1 嘉慶刊本の縁起
2 嘉慶二十年重刊本と『附攷』の附与
3 光緒九年縮印本と佑清
4 費雲『附攷』の意味するもの
小結
第3章 『毛詩稽古編』と『詩経通義』――両書の成立に関する一考察として
はじめに
1 陳啓源と朱鶴齢の学術的交流
2 『毛詩稽古編』の起稿と『詩経通義』の擱筆
3 陳啓源と朱鶴齢の詩経学
小結
第4章 陳啓源の『詩経』解釈――その方法と後世の評価
はじめに
1 『詩経』解釈における基本的態度
2 『毛伝』および『鄭箋』に対する態度
3 諸説を取捨選択する基準
4 『毛詩稽古編』の受容と評価に関する一考察
小結
第5章 『毛詩稽古編』における詩序論
はじめに
1 『詩序』を重視する要因
2 『詩序』の起源に関する議論
3 『詩序』の由来に関する考証
小結
第6章 清代詩経学における詩序論
はじめに
1 清初における尊序派の詩序論
2 清初以降の詩序論
小結
第7章 陳啓源の賦比興論――六義論に関する一考察として
はじめに
1 「六義」における賦比興
2 陳啓源の賦比興論
3 朱熹の賦比興論に対する批判
4 賦比興の混同と全不取義説
5 文字の呼応と全不取義説
小結
結語
参考文献
後序
An outline of this book
中文摘要
人名索引
事項索引
●著者紹介
江尻 徹誠(エジリ テツジョウ)
2008年 北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了 博士(文学)取得
現在 北海道大学大学院文学研究科専門研究員
専攻 中国思想 詩経学
〈主要論文〉
「陳啓源『毛詩稽古編』における詩序論について」『日本中国学会報』第57集,日本中国学会,2005年.
「清代詩経学中的詩序論」『2007年中日博士生学術研討会・第二届東亜経典詮釈中的語文分析国際学術研討会会議論文集』,文献与詮釈研究論壇,2007年.
「『毛詩稽古編』研究:従成書到流布」『当代経典詮釈多元整合教学研討会会議論文集』,当代経典詮釈多元整合学程研究計画,2009年.
(本書刊行時の情報です)