商品説明
フランソワ・モーリヤック論 ー 犠牲とコミュニオン
竹中のぞみ 著
定価:8,800円(本体価格8,000円+税)
判型:A5 上製
頁数:510
ISBN:978-4-8329-5741-1
Cコード:C3098
発行日:1996-02-25
●本書の特徴
日本仏語仏文学会奨励賞受賞。
モーリヤックの全作品に広く言及しながら,「犠牲とコミュニオン」をキーワードに詳細に分析.従来の解釈では明らかにされてこなかった,希望のメッセージを伝えるモーリヤックを浮かび上がらせ,新しい解釈に基づくモーリヤックの全体像を提示する.全作品の紹介を付す.
●目次
まえがき
第1章 人と作品,およびその生まれた風土
1 作家としての生涯
2 小説作品の素地:カトリックとアキテーヌ地方
3 ボルドー:その歴史と階級制
4 土地とのかかわり
5 先祖たち
6 父の血、母の血
第2章 小説世界に関する三つの問題点
1 孤独
2 デウス・エクス・マキナ
3 救霊予定か、神の不在か
第3章 一般的な意味での犠牲とその昇華
1 ブルジョワ社会における犠牲
2 犠牲と愛
3 人間の愛と神の愛
4 善行よりも愛
第4章 運命の共同体
1 神学的意味での犠牲
2 運命のからみあい
3 偶然の不在:出会いはすべて仕組まれている
4 偶然の一致の意味
5 あらゆることは役に立つ
6 人間関係=虐待者と犠牲者の関係
第5章 苦悩の転換
1 執筆年代順に見た犠牲のテーマ
2 肉体的苦痛、精神的苦痛、死
3 犠牲者と教会とのかかわり
4 犠牲の役割を演じる人物の特徴
第6章 超自然的現象を描くための技法
1 断言あるいは予感
2 心の動き
3 エピソードの並列と同時性
4 イメージ
第7章 犠牲の生み出す実り
1 自己認識、回心、和解
2 罪の概念の変化
3 人間の二面性
4 霊的つながりの深化
第8章 時空を越えた魂の交わり
1 死者と生者の結び付き
2 《しるし》による暗示
第9章 テレーズ・デスケルー:連帯性の欠如あるいは希望の喪失
第10章 結論
註
作品紹介
あとがき
引用・参考文献
作品および登場人物索引
●著者紹介
竹中 のぞみ(たけなか のぞみ~)
1956年、神奈川県生れ。
上智大学外国語学部フランス語学科、同大学院文学研究科フランス文学専攻修士課程を経て、1981年、ボルドー第三大学博士課程(第三期課程)留学。1988年、同大学にてフランス文学・比較文学専攻の第三期課程博士号を取得。
現在、北海道大学言語文化部助教授。
主な研究領域はフランス文学、フランス文化論。
主要論文として、「レアリズムの都市から理想の都市ヘモンマルトルの丘からのパリ讃歌」(筑和正格編「モダン都市と文学』洋泉社、1994年)、「もはやフランス国民はつくられない?」(伊藤章編『ナショナル・アイデンティティをめぐって』言語文化部研究叢書3、1995年) など。
(本書刊行時の情報です)