商品説明
工藤正広著
判型: A5 上製
頁数: 468
ISBN: 978-4-8329-5371-0
Cコード: C3098
発行日: 1990-01-25
●本書の特徴
現代人の 「死と愛」 の原風景と世紀末の出口なき魂の地平が, 詩人パステルナークのロマンに書き記された「生」のイメージにより切り拓かれる.作品の背後にあるスラブ的精神風土の深淵を,いま世界に先駆けて読み解く,詩的解体の「歌」!
●目次
第 1章 前 史
初期スケッチ
長編の挫折
1936年
原型ジバゴ・ 「1936年の散文小説の始め」
戦間期
第 2章 執筆過程
第1巻
執筆過程とイヴィンスカヤ恋愛
第2巻
『ジバゴ』 完成
第 3章 ジバゴ詩篇
二つの機能
詩篇の舞台裏
第 4章 『ジバゴ』 諸説
リハチョフの考察
ジョージ・ギビアンの考察
ジバゴは馬に乗って一日悪路四十キロを行けるか
シニャフスキーの意見,その他
第 5章 解 体
五時の急行列車
別圏からの少女
スヴェンチツキー家のヨールカ祭
第 6章 再構成
避け得ざるもの到来
第 7章 社会主義=生の海
古きものとの訣別
●著者紹介
工藤 正廣
北海道大学言語文化部教授
○主要著書:
わが妹人生—1917年夏 (鹿砦社,1972)
パステルナークの詩の庭で (白馬書房,1976)
眠る故郷 (白馬書房,1980)
パステルナーク研究・詩人の夏 (北海道大学図書刊行会,1988)
ロシア/詩的言語の未来を読む—現代詩1917〜1991 (北海道大学図書刊行会,1993)
○主要訳書:
ロープシン 「蒼ざめた馬」 (晶文社,1967)
ロープシン 「漆黒の馬」 (晶文社,1968)
オレーシャ 「愛」 (晶文社,1971)
ロシア幻想小説 (共訳,白水社,1973)
ビリニャーク 「機械と狼」 (共訳,白水社,1973)
ジョーミン 「日は鉄格子に昇る」上・下 (講談社,1976)
イヴィンスカヤ 「パステルナーク・詩人の愛」 (新潮社,1982)