商品説明
現代宗教文化研究叢書 3
宗教集団の社会学 ― その類型と変動の理論
三木 英 著
定価:5,280円(本体価格4,800円+税)
判型:A5 上製
頁数:258
ISBN:978-4-8329-6785-4
Cコード:C3014
発行日:2014-02-10
●本書の特徴
従来の宗教集団類型論は、それぞれ特定の宗教文化圏では有効であっても、通(宗教)文化的比較のためには十分なものではなかった。本書は、集団指導層による組織運営かネットワーク形成か、集団成員が権威志向か自立志向か、という2つの変数を用いて、新たに4類型の集団類型を提示し、それに基づき宗教集団の展開(類型間移行)を描き出す。また、無信仰者群、スピリチュアルな情報を消費する層も視野に入れて動的分析に適用可能なモデルを提示した。理論研究が手薄な宗教社会学に一石を投じる力作。
●目次
緒言
第1章 宗教集団類型論と日本の宗教集団
第1節 宗教集団類型論の展開
第2節 日本における宗教集団類型論
第3節 既存宗教集団類型論における限界と可能性
第2章 新たな宗教集団類型の構築
第1節 現代日本の宗教状況
第2節 スタークとベインブリッジのカルト論
第3節 カルト類型の限界
第4節 新たな宗教集団類型へ
第3章 宗教集団の展開モデル
第1節 宗教集団類型間の移行
第2節 移行を促すファクター
第3節 宗教組織運営の困難な時代、そして宗教ネットワークの拡大・顕在化
第4章 宗教集団の発展――立正佼成会のケース
第1節 立正佼成会の展開
第2節 立正佼成会における集団属性の変動
第3節 教団の展開と組織運営
第5章 宗教集団の挫折――UFOグループのケース
第1節 予言の失敗と認知的不協和の理論
第2節 UFOグループの展開
第3節 UFOグループにおける集団属性の変動
第4節 UFOグループの失策
第6章 自律志向型ネットワークへの着目――宗教的無党派層の潜在力
第1節 変動する社会、そして宗教
第2節 「宗教」の停滞、宗教的無党派層の台頭
第3節 人間至上の信仰
第4節 自律志向型ネットワークの変動
結語 宗教社会学を、前へ
あとがき
参考文献
人名索引
事項索引
●著者紹介
三木 英(ミキ ヒズル)
1958年 兵庫県生まれ
1987年 大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得満期退学
現在 大阪国際大学教授.博士(人間科学/大阪大学)
〈主な研究業績〉
『復興と宗教――震災後の人と社会を癒すもの』編著,2001年,東方出版.
『よくわかる宗教社会学』共編著,2007年,ミネルヴァ書房.
『日本に生きる移民たちの宗教生活――ニューカマーのもたらす宗教多元化』共編著,2012年,ミネルヴァ書房.
『新世紀の宗教――「聖なるもの」の現代的諸相』共著,2002年,創元社.
『聖地再訪 生駒の神々――変わりゆく大都市近郊の民俗宗教』共著,2012年,創元社.
など
(本書刊行時の情報です)