商品説明
実践と相互人格性 ー ドイツ観念論における承認論の展開
高田 純 著
定価:6,600円(本体価格6,000円+税)
判型:A5 上製
頁数:366
ISBN:978-4-8329-5871-5
Cコード:C3010
発行日:1997-09-25
●本書の特徴
対話思想の源泉を求めて,ドイツ観念論を相互承認の観点から捉え直す意欲作.カント自律論に含まれる自発性と共同性が,フィヒテとヘーゲルで分化し交差しつつ動的に展開されることを解明.カントとフィヒテには他者論が不在であり,ヘーゲルには個人論が不在との解釈を克服する.
●目次
凡例
序論
〔第1部 自律と共同:カントにおける承認論の方向づけ〕
1 意志の自由と自律
1 意志と自律の行為
2 意志の自由と行為の自由
3 意志の自発性
4 意志の合法則性
2 自律と相互人格性
1 意志の自己立法
2 自由と必然性
3 自律思想の形成過程
3 道徳的共同体と自律
1 「目的自体」と「目的の国」
2 道徳的共同体としての「目的の国」
3 「目的の国」と目的論
4 道徳的共同体と政治的共同体
4 道徳行為と相互人格性
1 自己立法と格律
2 行為のコンテキストと法則
3 道徳的判断の普遍性
4 道徳的判断と〈立場の交換〉
5 行為の相互評価と〈立場の交換〉
5 道徳の相互人格的関係
1 道徳的相互承認
2 相互人格論の射程
3 義務の相互人格性
4 自分に対する義務と相互人格性
5 他人に対する義務と〈目的の交換〉
〔第2部 自律と承認:フィヒテにおける承認論の定礎〕
1 他者問題の追究
1 カントからフィヒテへ
2 他者論の形成
3 『知識学』と他者の問題
2 自我と相互承認
1 非我から他我へ
2 他我の根拠づけ
3 相互承認の演繹
4 承認の形態としての法
3 自立と相互伝達
1 道徳と相互人格性
2 自我の自律と相互人格性
3 相互伝達と共同体
4 相互人格論の転換
4 相互承認とコミュニケーション
1 根源的コミュニケーション
2 対話と人間形成
3 身体と相互人格性
4 コミュニケーション共同体と道徳共同体
〔第3部 承認と共同:ヘーゲルにおける承認論の展開〕
1 自由な共同体を求めて
1 親カントから反カントへ
2 有機的共同体と自由
3 個人の自立と相互承認
2 共同体と相互承認
1 承認の弁証法
2 承認関係の体系
3 相互承認と自由
3 行為と相互承認
1 意志の自由と自己規定
2 行為の弁証法
3 行為の評価と承認
結語
引用について
注
索引
●著者紹介
高田 純(たかだ まこと)
1946年 北海道に生まれる
1970年 北海道大学文学部哲学科卒業
1975年 北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
北海道大学文学部助手,帯広畜産大学助教授を経て
現在 札幌大学外国語学部教授
主著:
『哲学のリアリティー:カント・ヘーゲル・マルクス』共著,有斐閣,1986年
『ヘーゲル用語事典』共著,未来社,1991年
『承認と自由:ヘーゲルの実践哲学の再構成』未来社,1994年
(本書刊行時の情報です)