商品説明
ワニと恐竜の共存 ー 巨大ワニと恐竜の世界
小林快次 著
定価:1,100円(本体価格1,000円+税)
判型:A4 並製
頁数:84
ISBN:978-4-8329-1398-1
Cコード:C0045
発行日:2013-07-25
●本書の特徴
2億3千万年におよぶ歴史を多数の図や写真を使ってやさしく紹介。オールカラー版!
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太古の日本にはワニが棲んでいました。本書では,約2億5千万年前まで遡り,ワニの起源と繁栄を,時間軸に沿って紹介します。
ワニの祖先が出現したペルム紀(約2億5千万年前)。この時代生きていたワニの祖先は陸上を闊歩し,さまざまな進化を遂げていました。恐竜はまだ地球上現れていなく,当時の陸はまさにワニの先祖の時代だったのです。ワニへの進化の道を選んだ動物たち,そして恐竜への進化の道を選んだ動物たち。その分岐点はどのようなものだったのか,環境がどのように左右したのかを解説します。
約2億3千万年前,ワニが出現します。この時代は,恐竜類,哺乳類,カメ類など現在知られている動物たちが次々と現れました。当時の恐竜の体はまだ小さく,大型化したワニの祖先たちに生活圏を追いやられ,細々と暮らしていました。ワニと恐竜は生活圏を争いながら,共に進化の道を歩んでいった時代です。その後,状況は一変します。巨大化したワニたちは環境変化に耐えられず絶滅し,それに耐えることができた恐竜たちの時代がやってきます。
大量絶滅を生き延びたワニたちは,陸上を離れ,水辺へと生活圏を変えます。白亜紀には体長12mを超える巨大ワニ,デイノスクスが登場し,恐竜をも襲ったことが知られています。ワニの繁栄は留まることなく,水辺を支配し続けます。約6,650万年前,小天体が地球に衝突し,約1億7千万年間続いた恐竜時代が終わりを告げます。しかし,水辺に棲んでいたワニたちは絶滅をまぬがれるのです。小天体衝突のときワニに何がおこったのか,なぜワニが生き延びることができたのか,謎が多くさまざまな説が出ています。それらの説を検証します。
小天体衝突後,新生代という新しい時代がスタートを切ります。鳥類に姿を変えた恐竜たち,そして水辺の覇者であり続けるワニ。長い地球史のなかで,ワニの役割は何だったのか,そして恐竜との共存はあったのか,昔の日本に生息していたマチカネワニの絶滅は何を語りかけるのか。
本書では,これらの疑問について,ワニの視点から見つめ直し,読者に考えてもらいたいと思います。本書は,ワニと恐竜の共存についての最新知識を得るためのガイドブックです。全国のワニや恐竜ファンの人々にとってとても興味深い内容が紹介されています。
●目次
古代ワニは私たちに何を語るか?……津曲敏郎(北海道大学総合博物館館長)
〔第1部 ワニの進化史〕
ワニと恐竜のわかれ道
ワニ類への道 クルロタルシ類
ワニ型類の起源
ワニとしての一歩 原顎類
ワニのチャレンジ(1)陸上への進出
ワニのチャレンジ(2)水中への進出
ワニのチャレンジ(3)サルコスクス
ワニがワニになった日 半水棲生活
現代型ワニの出現
現代型ワニの起源
恐竜時代の3つのワニ目
恐竜時代の巨大ワニ デイノスクス
恐竜絶減とワニ
恐竜絶滅後のワニ目
トミストマ亜科 マチカネワニ
現在のワニ目
〔第2部 ワニ型類と恐竜類の争い〕
約2億3,000万年前の南米大陸 ワニ型類と恐竜類の誕生
約1億5,000万年前の北米大陸 現代型ワニの誕生と恐竜の巨大化
約1億年前のゴンドワナ大陸 ワニの巨大化と恐竜の繁栄
約7,000万年前の北米大陸 巨大ワニと巨大恐竜の闘い
現在 生き延びたワニ,姿を変えた恐竜
コラム(1)三畳紀の世界を支配していたクルロタルシ類
コラム(2)ファソラスクス(ラウイスクス類)とティラノサウルスの頭骨
コラム(3)哺乳類のような歯を持つノトスクス類の繁栄の理由
コラム(4)完成度の高いデザイン
コラム(5)マチカネワニの謎
コラム(6)恐竜絶滅の原因
●著者紹介
小林 快次(こばやし よしつぐ)
1971年福井県福井市生まれ。
1995年アメリカ・ワイオミング大学地質学地球物理学科卒業。
2004年アメリカ・サザンメソジスト大学地球科学科で博士号を取得。
現在,北海道大学総合博物館准教授,大阪大学総合学術博物館招聘准教授。
獣脚類恐竜のオルニトミモサウルス類を中心に,恐竜の分類や生理・生態の研究をしている。
著書に『日本恐竜探検隊』(岩波ジュニア新書,共著),『巨大絶滅動物マチカネワニ化石:恐竜時代を生き延びた日本のワニたち』(大阪大学出版会,共著),『恐竜時代Ⅰ:起源から巨大化へ』(岩波ジュニア新書)など多数がある。
【生態復元画】
Karen Carr
Raúl Martíne Demingo
【特別協力】
草嶋乃美(北海道大学総合博物館研究支援推進員)
西本結美(北海道大学総合博物館研究支援推進員)
【標本所蔵】
茨城県自然博物館:スカフォニクス全身骨格/デイノスクス頭骨/トリケラトプス頭骨
神奈川県立生命の星・地球博物館:インドガビアル頭骨/マレーガビアル頭骨
神流町恐竜センター:アロサウルス頭骨/アンハングエラ頭骨/スコミムス頭骨/ドロマエオサウルス全身骨格
群馬県立自然史博物館:アメリカンアリゲーター頭骨/カマラサウルス全身骨格/ゴニオフォリス全身骨格・頭骨/ナイルワニ頭骨/ハマダスクス頭骨
国立科学博物館:カルカロドントサウルス頭骨復元模型/ティラノサウルス頭骨
(本書刊行時の情報です)