商品説明
松浦 誠著
判型: 四六 上製
頁数: 356
ISBN: 978-4-8329-7331-2
Cコード: C1039
発行日: 2002-03-10
●本書の特徴
最高級料理として復活しつつあるスズメバチ食! 中部地方をはじめ,北海道から沖縄にいたる日本各地,中国雲南省,東南アジア諸国など,著者が長年の生態学研究のかたわら集めた豊富な資料と体験にもとづいて,スズメバチを食材として眺める視点からまとめた「昆虫食文化」探訪.
●目次
はじめに
凡 例
I 食用としての昆虫
1 江戸期の昆虫食
2 大正期以降の昆虫食の全国調査
3 現代の主要な昆虫食の盛衰
II 日本におけるスズメバチ食とその歴史
1 江戸期のスズメバチ食文化
2 明治期から大正期のハチの子料理と全国調査
3 現代のスズメバチ料理
4 料理旅館におけるスズメバチ料理
III ハチの子の流通と市場
1 ハチの子の値段
2 岐阜県東濃魚菜市場における入荷量と相場の変動
3 栃木県西那須地方のトリコとその歴史
4 ハチの子の缶詰と瓶詰の歴史
5 ミツバチの「ハチの子缶詰」
6 小鳥の餌としてのハチの子
IV 食材としてのハチの子
1 食用とするハチ・しないハチ
2 ハチの子とは
3 ハチの子の栄養と幼虫の栄養液
4 なぜスズメバチ食か
5 商品としてのハチの子
6 ハチ食文化の二極化
V 外国のハチの子食
1 中国、世界最大の消費地雲南省を中心に
2 台 湾
3 タ イ
4 ラオス
5 ミャンマー
6 ブータン
7 インドネシア
VI どうやって巣を見つけるか
1 いつ採るか
2 巣の探索と発見
3 ハチを追う
4 透かしのプロ
5 巣を掘り出す
6 ハチ採りのマナー
VII 巣採りの悲劇
1 死のハチの巣採り——ハチ毒アレルギー
2 ハチ採りの火で火事に
VIII ハチを飼う
1 飼育の歴史
2 給餌による肥育
3 砂糖液も飲み放題
4 飼い巣の楽しみ
IX 天敵としての保護と利用
X ハチ食から地域おこしへ
1 ヘボ祭りとハチサミット——岐阜県串原村
2 ハイバチ保護条例——岐阜県加子母村
3 古里おこし——愛知県設楽町
4 公民館のグループ活動——愛知県豊田市石野
5 蜂供養塔の建立——長野県東部町
6 全国地蜂サミットと連合会の誕生
あとがき
和名・学名対照表
文 献
索 引
●著者紹介
松浦 誠
1941年生まれ.
1964年,三重大学農学部卒業.
現在,三重大学生物資源学部教授.理学博士.
【主要著書】
スズメバチ類の比較行動学(共著,北海道大学図書刊行会)
スズメバチはなぜ刺すか(北海道大学図書刊行会)
図説 社会性カリバチの生態と進化(北海道大学図書刊行会)
日本ハチ類生態図鑑(共著,講談社)
ハチの観察と飼育(ニューサイエンス社)
スズメバチ(平凡社)
ハチ刺されの予防と治療(共著,林業労働災害防止協会)
住環境の害虫獣対策(日本環境衛生センター)
Biology of the Vespine Wasps(共著,Springer−Verlag)
The Social Biology of Wasps(共著,Cornell Univ. Press)