商品説明
アシナガバチ一億年のドラマ ー カリバチの社会はいかに進化したか
山根爽一 著
定価:3,080円(本体価格2,800円+税)
判型:四六 上製
頁数:316
ISBN:978-4-8329-7311-4
Cコード:C1045
発行日:2001-08-10
●本書の特徴
ギャンブル仮説か? 3/4仮説か? あるいは協同的多雌性仮説か? 日本をはじめ,東南アジア,オーストラリア,ブラジルなどにおける広範な調査に,最新の視点を取り入れて,カリバチにおける社会進化の道すじを解りやすく紹介.1億年をかけたイノベーションの謎に迫る.
●目次
はじめに
1 子育ての技術革新:社会生活への長い道のり
1 カリバチとハナバチ
2 植物食から寄生生活へ
3 他人のすみかを借用する:巣作りの起源
4 自分で巣をつくる:建築家の誕生
5 狩りに先立って産卵する:空室産卵
2 独居と社会生活の接点を探る:ハラボソバチの社会
1 熱帯アジアの隠遁生活者
2 忍耐のいる行動観察
3 メリイヒメハラボソバチのルーズな社会
4 母巣で働いてから独立する娘たち
5 ハラボソバチは真社会性といえるか
3 個人主義か集団主義か:独立創設するアシナガバチ
1 独立創設と巣分かれ創設
2 温帯のアシナガバチの生活史
3 複数のメスによる巣作り:多雌創設
4 債権交代で延命するチビアシナガバチのコロニー
5 巣を分割するオーストラリアのチビアシナガバチ
6 独力で創設するか,集団に加わるか
4 コロニーの巨大化:巣分かれ創設するアシナガバチ
1 アシナガバチ類の巣分かれ創設
2 旧世界のチビアシナガバチの生活
3 南米で分化したエピポナ類
4 巣分かれ創設はいかに進化したか
5 巣分かれ創設と表裏一体の多女王制
5 カースト分化:社会組織の完成度の指標
1 カーストの違いは,まず行動にあらわれる
2 カースト間の形態的分化
3 カースト分化の様相とその意味
6 建築技術のイノベーション:構造の多様性と進化
1 ハチの巣は魅惑のかたまり
2 ハラボソバチの巣のみごとな分化
3 細い柄で吊り下げ,「化学の鍵」をかける
4 住居の育児環境を快適に保つ
5 巣材と建築技術は社会進化を左右する
7 カリバチの社会はいかに進化したか
1 社会進化の古典的仮説:栄養交換説
2 子をつくらずに自分の性質を伝える:血縁選択理論
3 みんなで集まれば怖くない:協同的多雌性仮説
4 どの身のふり方が有利か:ギャンブル仮説
5 異世代社会と同世代社会:社会進化の道すじ
引用文献
索引
●著者紹介
山根 爽一(やまね そういち)
1946年 札幌市に生まれる
1968年 北海道大学水産学部卒業
1975年 北海道大学大学院理学研究科博士課程単位修得退学
現在 茨城大学教育学部教授。
理学博士
主要著書:
『日本の昆虫シリーズ3・フタモンアシナガバチ』(文ー総合出版,1986年)
『チビアシナガバチの社会』(共著,東海大学出版会,1989年)
『スマトラの自然と人々』(共著,八坂書房,1992年)
『昆虫社会の進化:ハチの比較社会学』(共編著,博品社,1993年)
専門:
昆虫社会学。主にアシナガバチやスズメバチなど,狩蜂の社会行動に興味を持つ。熱帯で進化したとされる狩蜂の社会を調べるために,国内をはじめ,台湾,ィンドネシア,オーストラリア,ブラジルなど,熱帯や亜熱帯において延べ30年間にわたって調査・研究を行ってきた。現在は,プラジルのサンパウロ大学と共同で,新大陸のアシナガバチ類における多女王制の進化の解明に取り組んでいる。また,熱帯圏にのみ生息するハリナシバチ(ミツバチの1グループ)の特異な産卵行動や,地域の環境(自然度)指標としてのハナバチ相も調べている。
(本書刊行時の情報です)