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品切

中野 繁著
川と森の生態学-中野繁論文集
iISBN4-8329-8021-1/2003.1.25/A5判・上製・380頁・定価6300円(本体6000円+税5%)
 <品切>


サケ科魚類の群集生態学」,「水生昆虫群集の形成における捕食者=魚類の役割」,「河川‐森林相互作用」そして「地球温暖化と淡水魚類群集」の4部14章からなる。
第T部にはサケ科魚類の種内における社会関係,さらに同所的に生息する2種類のサケ科魚類の共存機構を明らかにした5つの論文を収めた。第U部には,サケ科魚類の重要な餌資源である水生昆虫に着目し,魚類の存在が水生昆虫の行動,種間の競争関係に及ぼす影響について検討した2つの論文を収録した。第V部では川と森の繋がりに注目した研究を5つ紹介した。これらの論文は,河畔林から供給される倒流木や落下昆虫がサケ科魚類の個体群維持にとって重要な役割を果たすこと,また河川食物網全体を形づくる機能さえもつことを明らかにしている。第W部に収録した2つの論文では,より応用的な側面として,地球温暖化が河川の魚類群集に及ぼす影響を検討している。ここに収録した論文は,個体を対象とした行動生態学にはじまり,個体群生態学,群集生態学,さらに大きな空間スケールを対象とした景観生態学までを網羅している。
これから生態学を学び始めようという学生あるいは研究を始めたばかりの大学院生に贈る,優れた研究プロセスを知るための一冊。


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主要目次紹介
第T部 サケ科魚類の群集生態学/解題:カート・D・ファウシュ
 第1章 アマゴの資源利用,成長および移動分散に及ぼす種内順位の影響
  材料と方法/結 果/考 察/要 旨
 第2章 北海道の河川におけるイワナ属2種の分布:多重スケールにわたる複合要因の解析
  研究の背景および方法/結 果考 察/要 旨
 第3章 淡水性サケ科魚類における種間競争と異種共存機構
  個体間における干渉型競争と採餌行動/資源分割と種間競争/競争排除と分布域の置き換わり/今後における研究の方向性/要 旨
 第4章 採餌様式の変化による柔軟なニッチ分割:河川性イワナ2種の共存機構の提唱
  生態学的背景および検証可能な予測/方 法/結 果/考 察/要 旨
 第5章 条件特異型競争:河川性魚類における流程分布機構の解明
  研究の背景/方 法/結 果/考 察/要 旨

第U部 水生昆虫群集の形成における捕食者=魚類の役割/解題:久原直利
 第6章 捕食性魚類の刺激によって改変される河川性藻類食昆虫2種の種間競争
  方 法/結 果/考 察/要 旨
 第7章 日本の渓流に生息するカゲロウ幼虫3種の流下分散に対する流下動物採餌魚類と底生動物採餌魚類の影響
  方 法/結 果/考 察/要 旨

第V部 河川−森林相互作用/解題:メアリー・E・パワー
 第8章 北海道の小河川におけるサクラマス幼魚の生息量と生息環境との関係
  調査地/方 法/結 果/考 察/要 旨
 第9章 サケ科魚類の生息場所形成における倒流木の役割:北海道の落葉二次林帯での事例
  調査地/方 法/結 果/考 察/要 旨
 第10章 森林と草地を流れる小河川におけるサケ科魚類の餌資源に対する陸生無脊椎動物の寄与
  方 法/結 果/考 察/要 旨
 第11章 森と川の結びつき:河畔域からの節足動物の供給は河川食物網におけるトロ
  材料と方法/結 果/考 察/要 旨
 第12章 森林と河川の食物網の相互依存
  方 法/結果と考察/要 旨

第W部 地球温暖化と淡水魚類群集/解題:谷口義則
 第13章 地球温暖化による日本列島のイワナ属2種の水温からみた生息域の分断化と消失の可能性
  材料と方法/結 果/考 察/要 旨
 第14章 地球温暖化と局所的環境撹乱が淡水魚類群集に及ぼす複合的影響:メカニズム,予測そして波及効果
  分布域の変化/生理および個体群動態/個体群の遺伝的構造および生活史可塑性/生物間相互作用/生態系の反応と魚類の分布変化の波及効果/要 旨

引用文献
用語解説
おもなサケ科魚類の解説
研究業績一覧
収録論文初出一覧
論文翻訳者・共著者・寄稿者一覧

著者紹介

1962年11月25日 岐阜県神岡町に生まれる
1981年 三重大学水産学部水産学科入学:三重大学演習林平倉川においてアマゴの個体群動態に関する研究を行なう
1985年 三重大学大学院水産学研究科水産学専攻修士課程入学:平倉川においてアマゴの個体間関係に関する研究を行なう
1987年 三重大学大学院水産学研究科水産学専攻修士課程修了
1987年 高原川漁業協同組合嘱託研究員
1988年 飛騨・北アルプス自然文化センター学芸主事
1989年 北海道大学農学部附属演習林助手。同中川地方演習林に勤務:日高山脈新冠川ポロシリ沢にて,イワナ属の種間競争に関する研究を行なう
1991年 北海道大学より学位「博士(農学)」取得
1996年 北海道大学農学部附属苫小牧地方演習林に異動:演習林内幌内川にて,河川生物群集の形成機構,河川−森林生態系での生物間相互作用,生物多様性に関する研究を行なう
1997年 北海道大学農学部附属演習林助教授
1998年 日本生態学会宮地賞受賞
1998年 苫小牧地方演習林長
1999年 京都大学生態学研究センター助教授:総合地球環境学研究所の発足にむけその準備に奔走
2000年 3月27日 メキシコ,バハ・カリフォルニア,バイアデロサンヘルス沖にて遭難。消息を絶つ


翻訳者・共著者・寄稿者一覧
石城 謙吉(いしがき けんきち)
 北海道大学名誉教授・元苫小牧地方演習林長
井上 幹生(いのうえ みきお)
 愛媛大学理学部生物地球圏科学科
岩田 智也(いわた ともや)
 京都大学生態学研究センター
卜部 浩一(うらべ ひろかず)
 北海道立水産孵化場熊石支場
河口 洋一(かわぐち よういち)
 独立行政法人 土木研究所水循環研究グループ
北野  聡(きたの さとし)
 長野県自然保護研究所
北野 文明(きたの ふみあき)
 潟Cーライリリー製造部
久原 直利(くはら なおとし)
 千歳市教育委員会
谷口 義則(たにぐち よしのり)
 山口県立大学生活科学部生活環境学科
中村 太士(なかむら ふとし)
 北海道大学大学院農学研究科森林管理保全学講座
メアリー・E・パワー(Mary E. Power)
 カリフォルニア大学バークレー校統合生物学部(Department of Integrative Biology, University of California, Berkeley)
カート・D・ファウシュ(Kurt D. Fausch)
 コロラド州立大学水産および野生生物学部(Department of Fishery and Wildlife Biology, Colorado State University)
前川 光司(まえかわ こうじ)
 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター
三宅  洋(みやけ よう)
 岐阜大学流域圏科学研究センター
宮坂  仁(みやさか ひとし)
 総合地球環境学研究所
村上 正志(むらかみ まさし)
 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林


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