梶光一・宮木雅美・宇野裕之編著
エゾシカの保全と管理 ISBN4-8329-8171-4/2006.11.25/B5判・並製・266頁・定価4725円(本体4500円+税5%)
本書はエゾシカの絶滅と大発生を防止し,長期的に個体数を安定に導くための管理密度,生物学的適正密度や被害許容水準からみた適正密度を検討したものである。ニホンジカの大発生は,日本各地で農林業への激害や天然林への悪影響をもたらし,人間の生産活動や自然生態系を脅かす存在となった。このようなシカ類の大発生は北米やヨーロッパでも同時代的に生じており,生態学や保護管理上,高い関心が寄せられている。本書では,エゾシカの爆発的増加がもたらした農林業被害や自然生態系への悪影響を低減するための個体群管理方法や,密度上昇がシカ自身の体サイズや繁殖,生息地,農作物,牧草地,人工林へ与える影響評価手法を解説している。また,エゾシカの有効利用の取り組みなど持続的な資源管理の施策についても提言されている。これらの分野は生態学,数理生態学,農学,林学,畜産学,疫学などの学際領域にまたがり,基礎と応用の研究領域に貢献するほか,エゾシカ一種のみならず,他の野生動物や植生保全を含めた生態系管理のあり方を考える上でも資すること大である。研究者や行政担当者待望の書といえる。

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